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『プチ・プロフェスール』 [☆☆]

・イジメは簡単な問題じゃない。解決に必要なのは、同情じゃなくてノウハウだ。

・五分など遅刻のうちに入らないと思っている人間と付き合うことほど、ストレスを感じることはない。

・このタイプの男が自分の人生と交叉することはない。偶然に交叉しても、何かを共感できるとも思えない。

・クラスメイトにとって量子的な存在になっていた。意識して見ようとしない限り、確率としてしか存在しないような、半透明な存在──。

・量子力学は難解で、その帰結が示すのは不思議なことだらけ。大学で何年も勉強しないとさっぱり分からない。でも、世界はそうなっているんだから、とにかく信じていればいい。そんな風に言われたら、宗教とかオカルトと一緒だもの。それじゃやっぱり、困る。

・1420メガヘルツは、中性水素原子が放射する電波なの。中性水素原子というのは、宇宙で一番ありふれている、一番単純な星間物質。銀河の構造を調べるのに使われるから、その周波数は電波天文学以外で使っちゃいけないことになってる。

・溶けたガラスがオレンジ色に光るのは、ナトリウムとカルシウムの炎色反応によるものだ。

・自分と自分を取り巻く世界が、有限で、はかないものであることを理解してはじめて、人は宇宙を感じることができる。

・大気中に二酸化炭素が増えているのは事実だけど、それは温暖化の原因じゃなくて、むしろ結果。炭酸飲料を温めると泡がいっぱい出てくるのと同じだよ。温暖化して海の温度が上がったから、海中に溶け込んでいた二酸化炭素が大気中に出てきたってこと。

・子供ってのはね、自らも学びたいと思っている大人からしか、学ぼうとしないと思うよ。

・人間の視覚系は、反対色の組のうち、どちらか片方しか知覚できないと考えられているの。何かを見て、赤と緑の信号が両方送られてきたとしても、赤の信号が緑よりも強ければ、脳は「赤」だと認知する。だから人間は、赤と黄、赤と青、緑と黄、緑と青──この四つの組み合わせでしか知覚することができない。例えば、赤っぽい黄色はオレンジ色だし、黄色っぽい緑は黄緑色だよね? でも、赤っぽい緑とか、緑っぽい赤なんて、想像できないでしょ? 青みがかった黄色なんていうのもね。

・月がすぐ近くあると、どんなことが起こりますか? 簡単なところだと、月が明るすぎて他の星が見えない。

・科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね。



プチ・プロフェスール

プチ・プロフェスール

  • 作者: 伊与原 新
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/09/10
  • メディア: 単行本



タグ:伊与原新
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