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『猫物語 黒』 [☆☆]

・人間は前向きに生きていくべきで、ポジティブじゃなくてもアクティヴに。

・クラス全員にくまなく年賀状を出す奴、って奴からも届かない。普通に毎年喪中だった。

・ゴールデンウェークであろうとまったく休めない職種の人達も少なからずいるわけで、だから某公共放送においては、ゴールデンウィークという華々しい、絢爛豪華な名称は使わず、単純に大型連休と言い換えるそうである。

・「敵と言えば敵だ。ただし、素敵という名のな!」 「つまり素で敵なんだね」

・博愛ってさ、結局、誰のことも好きじゃないのとおんなじだからさ。かけがえのない誰か一人を選ぶことは、言ってしまえば差別だもん。博愛主義と差別主義が両立するわけないじゃん。

・人の趣味を否定するのはよくないが、人の悪趣味を否定するのはいいんだ。

・親らしいことなんて何もしてくれない人達だったけれど──まさか親らしくないことをされるだなんて思わなかった。

・私が髪をばっさり切っても、あの人達は気付かないんじゃないかな。たぶんあの人達は──私の顔も憶えてない。

・そうだ、揉め事は全部食べ物で解決だ。美味しんぼみたいに。

・クラシカルな時代遅れを自任する大人ほど厄介な存在はない。

・非常事態なんだから行為は非常識でいいんだよ。むしろそうでなければならない。

・今は個人情報の管理が行き届いているからな──友達だって知ってるのはケー番とメルアドだけで、住んでる場所は駅さえ知らないなんて、ザラだぜ。

・病院への搬送においてたらい回しにされることも多いらしい救急車だが、しかし現場への到着の速さは、やはり瞠目に値するものがある。

・蔑むような──視線だった。視線で殺すどころか、視線で自殺させてしまいそうな、そんな目つきだった。

・その人のために知ぬことができないのなら、私は友達とは呼ばない──だっけ。まるで三国志時代の価値観だな。

・当たり前のことを当たり前にするっていうのは、選ばれし者の領域なんだぜ。きみごとき凡人や、僕ごとき凡庸に、できることじゃない。

・事態の責任がきみにあったとしても、必ずしもきみが事態を解決しなければならないわけじゃないんだぜ。

・何もできない。したくてもできない。気持ちの問題じゃない、技術の、実力の問題だ。

・応戦どころか抵抗も無駄だ。冷静な振りをするくらいしか僕にはできない。

・それが正しくも美しい行為だとわかっていても、大抵の奴は、野たれ死んでいる猫を、埋めてやろうとは思わない。いや、思うかもしれない──だけど実行はしない。電車で老人に席を譲ることさえ、恥ずかしくってできない。

・命懸けになることと、死んでもいいと思うことは違うんだぜ。

・第三者には、どちらが正しいかなんかわからないさ。いや──正しさなんて、最初からない。あるのは正しさじゃなくて都合だ。

・常に絶対的な正しさを見せ付けられ続ける。それは言い換えれば──己の醜さ、己の未熟さを、延々と見せつけられる地獄だ。悪夢だ。

・力を持つ人間は、その力が周囲に与える影響について自覚的であるべきだ。

・日本人ならそりゃ大体、日本地図は書けるだろう──けどさ、それって僕は天気予報のお陰だと思うんだよね。天気予報を見ることで、日本人は日本の形を覚えるんだ。



猫物語 (黒) (講談社BOX)

猫物語 (黒) (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
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