SSブログ

『決定学の法則』 [☆☆]

・脳を使うと、脳に流れている血液中のヘモグロビンが酸化反応を起こして発熱する。その微妙な発熱を感知する近赤外線装置がすでに開発されていて、現在は脳のどの部分がどう発熱しているかがわかるようになりました。

・活性化していない脳を無理矢理動かして思考すれば、多量のエネルギーが消費される。それをしたくないというのが、「面倒臭い」という心理ポテンシャルです。

・他者への伝達のみならず、自分の決定をより豊かで誤りのないものにする上でも、決定過程の記述は非常に重要な意味を持っています。

・自らの頭の中を外国に移転するのか、それともブラックボックス化して技術を囲い込むのか。今の日本の製造業は選択の岐路に立たされています。結局、日本は自ら開発した技術をブラックボックス化して、他に流出しないようにすることでしか生き残っていくことはできない。

・世の中で「文系」と称する人たちは、言葉で表現する思考表現を取り入れたがり、それによくなじんでいるようです。対して「理科系」と称する人たちには図で思考表現するのが的確だと感じる人が多い。また、これとは別に数式で表現するのが一番的確に自分の思考を表現できると感じる「数式系」とでも称するべき人たちも存在します。

・アウトプットせずに思考していて、一体何を思考していたのかわからなくなり、堂々めぐりにはまった経験は誰にでもあるはずです。

・通常、日本語で「反省」というと、自分が間違っていたとか悪かったと、罪の意識を認めてものを思い返すという意味で使われています。しかし、本来の「反省」の意味は、「過去の自分の行為について考察すること」です。

・時間軸を遡って、過去の出来事を振り返り、それがなぜ起こったのか、何がどういう要素で構成されどういう構造になっていたのか、を考察する。それが「反省」です。「省察」と言い換えてもいい。

・現象を分析し、何がどういう要素で構成されているのか、その要素を摘出する。次になぜそうなったのか、論理や因果関係を紡ぎ、要素を組み立てて構造化、つまり現象の構造をモデル化する。

・自分の頭の中で現象の構造化ができる人は、条件変化による現象の変化を予測できます。予期しないことが起きても、モデルを作り直して対応することができる。

・今までのものの見方ややり方が通用しなかったという事実を素直に認めて、今までの自分を否定することから始めなければ、新しい世界には入っていけない。

・一生懸命やったことに満足しているだけではそこから先へは一歩も進めない。

・マーケティング・コンサルタントや新聞記者が新しい現象をつかまえて論評していることというのは、間違いやウソが多いんです。でも、多くの人はそれに惑わされる。

・売れている状態が続いている限りは高くたって構わない。その価格で納得してお客さんが集まってくれているわけですから。

・本当のスピーディーというのは、仮説の検証を正しいステップで迅速にやって早く結論を見つけることです。でも、多くの人は世の中が要求するスピーディーは、そんなステップはすっ飛ばして思い立ったらすぐにやることだ、と勘違いしている。だからいっぱい間違えるんですね。

・「対応」というのは主体は他です。他がこうやるから、吉野屋もこうやる、と。「適応」の場合は、主体は自らです。何がどう変わっているかはしっかりウォッチしなければいけないけど、どう変わるかは自分の意志です。

・他人のせいにする人はいつまでも他人のせいにしたままですから、「あのときあいつが悪かった」と永遠に言い続ける。

・資格も資金もない状況では、「自分が生きられない社会なら他の人も生きられるはずがない」という超楽観的な「過信」くらいしか自分を安心させるものはなかった。

・すべての仕事は人が持ってきてくれる。何事も人のネットワークが大事である。

・まず一歩を踏み出すことです。一歩を踏み出したときから周囲の状況が変わり、自分の感じ方が変わる。考え方が変わる。頭も心も体もダイナミックに動くようになるのです。

・動かない人ほど、よく考えてから動こうとします。が、それは逆です。自分の体が動くことによって一種の興奮状態が体内に作り出され、脳が刺激され活性化する。脳を活性化するためには、行動するしかないのです。

・大切なのは、頭の中だけで考えるのではなく、紙に書くなり何なりしてアウトプットするということです。思考をアウトプットしてみると、考え落としに気がつくということがよくあるからです。

・山勘が働く人はそれだけ普段から経験と決断を重ねているということ。山勘が働くようになったらもう決断の名人。

・決めたら動く。慎重さや注意深さを気取って躊躇するのはやめたほうがいい。そんなものは怠慢でしかありません。

・どこかにお手本があって、そのやり方を踏襲していれば想定外のことなど起きません。想定外の事態にぶつかったということは、フロントランナーの証です。

・日本人は「平均より上であれば幸せ」と考える傾向がありましたが、相対評価ではない自分自身の幸福について考えるのはあまり得意ではありませんでした。



決定学の法則

決定学の法則

  • 作者: 畑村 洋太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:畑村洋太郎
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0