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『新版 20週俳句入門』 [☆☆]

・入選したいがために、選者の好むような素材や表現をしようとする邪念がはたらいて、「自分の俳句」でなくなってくる。つまり「自分のために」ではなく、選者の傾向にあわせるための俳句作りになってしまうわけですね。

・すこし俳句の作り方が分かってくると、いかにも俳句らしく作ろうとして、対象の見方とらえ方から用語まで、すべて既成の俳句にあわせようとしてしまう。そういう作り方は、形は俳句の姿をしていても「自分の俳句」ではない。

・できた俳句や、まだ俳句の体をなさぬ七音とか、五音・七音、あるいは七音・五音といったフレーズを、忘れぬようにすぐ書きとめておく手帳(句帖)が必要である。

・俳句はタテ書きにして味わったとき、ほんとうのよろしさが分かってくる。上から下へ読み下したとき、文字の後ろにかくれた作者の思いが伝わってくる。俳句はタテ書きの文学である。

・自分の俳句をクールな眼で見ることは、自分自身をクールな眼で見ることにつながっていくわけで、いい俳句を作るための大切な一要素。だから、自選の下手な俳人は、決定的に秀れた俳句を成すことはできない。

・俳句を作ることは、言ってみれば、自分の中にあるもろもろのものを吐き出すことであるが、吐き出してばかりいたら、いつかは空っぽになることは目に見えている。それだから、一方ではせっせと吸収する手だてをしないといけない。

・季語の説明はいっさいやめて、季語はそのまま、なんの手も加えず一句の中に置くようにする。

・型その1のポイントを箇条書きにしてみよう。
(1)上五に季語を置き、「や」で切る。
(2)下五を名詞止めにする。
(3)中七は下五の名詞のことを言う。
(4)中七・下五はひとつながりのフレーズである。
(5)中七・下五は、上五の季語とまったくかかわりない内容である。

・俳句は一千句ぐらい作ると、どうやら身についた感じになる。早く一千句作ることです。

・俳句を詠うときは、対象を概括的に掴むより、その中の一点に絞って詠うようにしたほうが効果的で、言いかえると、「部分を詠って全体を想像させる」ことがトクなやり方。



角川学芸ブックス  新版 20週俳句入門

角川学芸ブックス 新版 20週俳句入門

  • 作者: 藤田 湘子
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: 単行本



タグ:藤田湘子
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