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『狼と香辛料13』 [☆☆]

・酒に酔った者たちが集まると、それはそれは厄介な連中の出来上がりだ。

・相手がなにかを言ってくれば否定も誤魔化しもできる。しかし、なにもなければ、手の施しようがない。

・食べ物を長期間保存するには、塩に漬けるか酢に漬けるか氷漬けにするか、あるいははちみつに漬けるしかない。

・物は金がなければ売れはしない。だとすれば、物が売れているところには金が流れ込んでいる。

・嘘はついていない。全てを語っていないだけ。

・こちらの神経を逆撫でする理由などないのだから、おそらく疲れているせいでそう感じるのだろう。

・商品を二つにすると手間は単純に倍ではなく、それ以上のものになる。

・うまいものを食いたければ倍の金を。もっと満足したければ倍の量を。では、さらに喜びを倍にするにはどうすればいいか? 共に食べる相手を増やせばいい。

・妬まれて萎縮してしまうようでは商人としてやっていけないので、そういう点では気にもしていないのだが、得意げになってしまうのは得策ではない。

・憎まれ口が大好きな酔っ払いほどたちの悪いものはない。

・もともと装飾用に発行された貨幣なんかはもっと大きい。

・いつも完璧な者がたまに間抜けなことをするのも愛嬌があっていいが、いつも間抜けな者がたまに手際のよさを見せるのもなかなかのものだと思う。

・別に媚びる気もないが、一緒に旅をするのなら笑顔があったほうがいい。

・自覚していないようだが、うまくいっている時は、自分は冷静なのだと言い聞かせているのがばればれな顔をしている。反対に失敗している時は、取り乱していないと自分に言い聞かせるので必死な顔をしている。要するに、必ず内心常にあたふたしているということだ。

・波風立たずにすむのなら、黙っていたほうが得策だ。

・一歩、前に足を出すと、二歩目はあっさりとあとに続いた。三歩目、四歩目は意識することもない。

・路傍の老木かなにかのほうがまだしも気品がある、といった出で立ちをした娘であった。

・冬の朝は早い。それは日の出という意味ではもちろんなく、寒さで眠っていられないという意味だ。

・主の夢を聞くのは嫌ではなかったが、主がそれを決して叶わぬ夢のように語るのは好きではなかった。

・強き者とは、弱いところのない者のことではない。己の弱いところを克服できる者のことである。

・狼の牙は肉体を殺し、人の敵意は精神を殺す。

・感謝とは、言葉に物がついてこそ、形を得るのである。

・手負いの獣はたとえ熊であろうとも、他の動物の餌食になるのを避けられない。

・我輩らは前に進まなければならない。その際には、捨てなければならぬものもあろう。その時に我輩らがすべきは、悲しんだり、罪悪感を感じたり、まいてや古いものにすがりつくことでもない。唯一つ、感謝をすればいいのである。



狼と香辛料 13 Side colors 3 (電撃文庫 は 8-13)

狼と香辛料 13 Side colors 3 (電撃文庫 は 8-13)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫



タグ:支倉凍砂
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