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『雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方』 [☆☆]

・植物学の世界では、雑草は強い植物だとは考えられていない。むしろ、「弱い植物である」とされていたのである。弱いとされている雑草が、どうしてこんなにもはびこって成功を収めているのか。

・「ルデラル」とは、荒地を生きる植物を指す。

・頑張れば何とかなるというのは、気楽な人間の言い分であって、植物の世界では、どんなに頑張っても敗れ去ったものは、枯れてゆく運命にあるのだ。

・「孫氏の兵法」の基本的な思想が「勝算なきは戦わず」ということと、「戦わずして勝つ」ということである。

・他人の行動パターンと少し違う選択をすると、人より有利に物事が運ぶことがある。

・チャンスは恵まれているところにあるのではない。少し条件の悪いところにこそ、チャンスがある。

・恵まれた条件で試合をすれば、どちらのチームもその実力をいかんなく発揮することができる。そうだとすれば、実力どおりの結果になるのは明白だ。

・強者は、今の環境の中での勝者なのである。強者にとって、環境が変わることは恐ろしいことだ。

・弱者が強者に勝つには、ルールを複雑にすることが有効なのである。ルールが単純な場合は、単純に強い方が勝つ。ルールが複雑になれば、さまざまな勝ち方が生じるから、必ずしも強い方が勝つとは限らない。

・どんなに弱い生物であってもナンバーワンにならなければ生き残れない。だとすればナンバーワンになれるニッチを何が何でも探すしかない。

・植物は巨大な「木」から小さな「草」へと進化した。安定した環境であれば、大きい方が優れていたが、変化の大きい時代には巨木では対応できない。一方、草は体が小さいから、さまざまな環境へ進出できる。

・家康はこう言っている。「戦では、強い者が勝つ、辛抱の強い者が」

・ふつうのタネは土の中で芽を出すので、暗いところで芽を出す性質を持っている。ところが雑草は違う。雑草の多くは光が当たることによって芽を出す、「光発芽性」という性質を持っている。光が地面にまで差し込むということは、まわりに大きな植物がいないということを意味している。そのため光が当たると芽を出しはじめるのである。

・日本タンポポが咲くのは春である。ところが、花が咲き終わると日本タンポポはあろうことか葉を枯らしてしまう。夏になると、他の草が生い茂り、小さなタンポポには光が当たらなくなってしまう。そこで、タンポポは光が当たらなくなる前に、自ら葉を枯らして、根っこだけになってやり過ごすのである。

・一般大衆を「草」という言い方をすることはあるが、「雑草」という称号は選ばれた勝者にのみ与えられた特別なものである。困難を乗り越え、成功にたどりついたとき、彼らは初めて人々から「雑草」と称賛されるのである。

・新品に価値がある。じつは、これこそが日本の価値観である。西洋のワインは古ければ古いほど価値があるが、日本の酒や茶は、新酒や新茶が好まれる。

・日本では一人が一年間食べていくのに必要な米の量を「石」という。大名の強さを表す石高は、何人の人を養えるかを表す指標であった。加賀百万石というのは、百万人が一年間食べていけるだけの米が取れるという意味である。

・一石の米を取るために、必要な田んぼの面積を「反」という。「反」というのはおよそ10アールである。

・中世ヨーロッパでは一人を養うために1ヘクタール(=100アール)の農地が必要だったとされている。農地の生産量は10倍も違ったのである。



雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方

雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方

  • 作者: 稲垣 栄洋
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2012/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:稲垣栄洋
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