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『宇宙へ TOWARD THE SPACE』 [☆☆]

・つむじの乱れは心の乱れ。

・人間、自分のつむじを眺めることはほとんどない。おそらく自分自身でも気づかぬ本性を、つむじは悲しいくらい無防備にさらしている。

・メンテナンスマンの心得。ひとつ、安全第一。ふたつ、危険な作業はひとりでするな。みっつ、確認は、声出し指差し、忘れずに。

・ロックオンをするところまではコンピュータが全自動でやってくれる。しかし、最後に引き金を引く行為だけは、人間にゆだねられているのだ。最終的な決定権は、機械ではなく人間にある。

・たかがマジックテープと馬鹿にしてはいけない。宇宙空間では、万能の素材だ。接着剤などは温度の変化に耐えられないし、金属も時間がたてば劣化する。

・人間が作るものに完璧という言葉を当てはめてはいけない。人間は間違える。人間は失敗する。その前提でものごとを考えるべきなのだ。

・未来を見ることはできない。しかし、未来を設計することはできる。

・未来を設計しても、そのとおりになるとは限らない。どれでも、設計図を作らずに進むのは、地図を持たずに荒野に乗り出すようなものだ。設計図は変更することもできる。ないよりはましなんだ。

・外国人に対して「無宗教」だなどと答えると、「悪魔教徒」だと答えた時のような顔をされるのがオチなので、「仏教徒」だと答えているものの、いわゆる葬式仏教の信者だ。

・たとえば停電といった、不測の事態に対応するために、マニュアルは必ず紙と電子版の両方を用意することになっている。

・宇宙を開発する産業は、ひとりの人間が一生をかけても終わらない。人間ひとりの人生よりずっと長い時間を必要とする。だからこそ、夢をつないでいくことが必要なのだ。

・いつも、地上から夢見るように空を見上げているくせに、いざ誰かが飛び立とうとすると、足を引っ張りあうようなものだ。

・だいたい、自分が気に入らないものは世の中に存在させないなんて、わがままなんだよ。誰だって、気に入らないことだらけじゃないか。みんな、どうにかこうにか折り合いをつけて生きてるんだからさ。



宇宙へ

宇宙へ

  • 作者: 福田 和代
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:福田和代
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