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『星を継ぐもの』 [☆☆]

・同位元素の崩壊は、言うなれば生物の死の瞬間に始動する時計である。残留する同位元素の分析によって得られる数値から、その時計がどのくらい動き続けたかを計算することが可能である。

・「時代は変わる」という曖昧な根拠でこの僅かに知られた特異性を黙殺しようとする傾きがあった。

・どちらかと言えばずんぐりした体格も寒冷な環境によく適応しています。丸く膨らんだ物体は、細長いものに比べて単位容積当たりの表面積は小さくなります。つまり、その分だけ放熱量が少ないということです。これはエスキモーのずんぐりした体型と、黒人の四肢の長い細身の体を比べればよくわかるでしょう。

・その頃、太陽とそれを取り巻く惑星は、異常に密度の高い宇宙塵の中を通過したのです。ところで、氷河期はほぼ2億5千万年の周期で地球を襲っています。これはわれわれ銀河系の回転周期です。単なる偶然の一致ではありませんよ。

・彼にとっては、確立された理論は絶対に正しいものであって、これはもう動かせないんだよ。だから、その理論に適うようにすべてを解釈しなくてはならないんだ。

・人間の姿は、あなたが考えるよりも遥かに不完全ですよ。自然は必ずしも最善の解決を生み出しはしません。それどころか、自然は手当たりしだいにあらゆる解決策を試みるのです。唯一の判定基準は、もしある姿なり形質なりが環境に適したものであれば、その種は生き延びて繁殖するということです。

・あまりにも放恣な空想に走り、あるいは、目で見、手で触れることのできる証拠や科学的な厳密さを忘れて妄想を拡大させる軽はずみな人間を待ち受けている陥穽を思い知らされずにはいなかった。

・昆虫は数多い種類を全部ひっくるめて、他のどの系列ともいっさい類縁がありません。

・ある特定の種から、いろいろな要因による変異が生じて、そこに変種が現われます。これは遺伝学の初歩的常識ですが、交配の自由な集団においては、新しく出現した形質はしだいに稀釈される傾向があり、比較的短期間で消滅していきます。

・隔離は新しい種を生むのです。地球上のあらゆる種の起源を辿ってみると、過去のある時期に何らかの形で隔離が起こり、種と変種がそこから分岐していることがわかります。



星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

  • 作者: ジェイムズ・P・ホーガン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1980/05/23
  • メディア: 文庫



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