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『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』 [☆☆]

・企業勤めという様式そのものが合わなかった人たちに向けて、企業に就職するための職業訓練ばかりやってもあんまり意味がない。

・そもそも仕事の起源を考えてみれば、皆がやるのが面倒なことを誰かがやってくれたら有り難いなあ、ということをやる気のある人が担当してきた、ということだ。

・そもそも現代社会にはナリワイのネタは無限にある。なぜなら、世の中が矛盾だらけだからだ。何か矛盾がある以上、それを解決することを行えば仕事になる。

・パンを焼く技術というのは高度な職人技術のように思われているが、元々お米を炊くような人間の生活のうえで基礎的な技術である。

・特に右肩下がりの社会と業界は、単価が下がる分だけ既に地位を確立している人が現状を維持するためより多く仕事をしてしまうので、えてして丸腰の新人には厳しいのである。

・ナリワイは、自分が「これが世の中にないのはおかしい」と思うものをつくってそれをお裾分けする、お裾分けビジネスでもある。

・感覚はあっさりと鈍磨するものである。学生の頃に面白かった先輩が、数年後に会ってみたら業界のネタしかしゃべれないつまらない人になってしまっていた、ということはザラにある。

・現代人は、まずやるべきことをやらずに、保険や制度に頼って安心してしまっている。それよりもまずやることは、自分の意志でなるべく病気にならないようにすることだ。

・「なぜ」より「そもそも」を常に考えて違和感を見つけていくのがよい。「なぜ、車が売れないのか?」と考えるよりも「そもそも、車をこんなに売る必要があるのか?」とか。

・お金よりもやる気の方が現代では貴重な資産である。それは、だめな公共事業を見ていればよく分かる。いくらお金があっても、やる気のない人たちが集まったプロジェクトは役に立たない。

・自力で仕事をつくったことがない人は、未知の世界へ飛び出そうとする人に対して厳しいことがある。

・メリットとデメリットを比較して行動を決められる、というのは、どちらの選択肢でもOKという場合であって、不安が伴うような判断に迷う選択肢があるときには、メリットとデメリットを考えて行動できる人はそうはいない。では、こういうときには、なにで決まるか。「嫌いか嫌いじゃないか」、そんなもんで決まる。

・よいとされている大学を出て、よいとされている会社に入り、特に辞めることもなく、働き続けたという、最もリスクを取らない人たちが経営の上層部にいる、という状況は、今の日本の企業の仕組みからすれば、そんなに珍しくない、むしろ一般的であるはずだ。そのタイミングで、経済のグローバリゼーションがおき、変化が厳しくなって、リスクを取った経験の乏しい人たちに様々な決断が求められるようになってきた。タイミングとしては、あまりよくないだろう。

・「付加価値!」と叫ぶ前に、本質的な価値がおろそかになっていないか、ということも考えないといけない。



ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方

ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方

  • 作者: 伊藤 洋志
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2012/07/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:伊藤洋志
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