SSブログ

『実践!多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ』 [☆☆]

・動物の中で人だけが本を読む。したがって、本を読まずして自身が成長し、人生に成功する方法などあるはずもない。

・私はその蔵書棚を絶え間なく磨きあげ、「格好のいい」本棚にしたいと思っている。格好のいい本棚とは、年代ごとに「あ、この本をさすがに読んでいましたね」と同じような感覚を持つ人に思われるような本棚だ。

・アマゾンは住宅地の駅前にある古びた個人書店と同様なのである。取次業者からパターンで配本された本を並べ、アダルト本やマンガを売り上げの中心に据えているように見える。

・書籍の購入というのは、あくまでも推定なのだが、国民の1割が週1冊買い、8割が月1冊買う。残りの1値割の国民は購入ゼロ。こんなところではないか。

・知性だけでなく、感性が磨かれることは大切だと思うが、情緒を情報上位概念として、ことさら重視することはない。

・いかに標準を制するかが、グローバル企業にとっての究極の目標であることは、現在でも変わらない。標準化競争に勝ち残った企業は、大きな競争優位性を得、新しい産業すら生みだし、利益の総取りすらできるかもしれないのだ。

・経済予想家とはポジショントークをする人々のことだ。それぞれの立場にいる人々にとって都合のよい、聞き心地のよいことを書く「経済学者」だ。

・ある意味で欧州のエリートというのは、捨てたものではないかもしれない。エリートが闊歩する世界は合目的的ではないから、世知辛くないのではないか。大衆を納得させるための予定調和も必要ない。ただただ、好奇心旺盛な連中が集まる世界だ。

・サイコロを振らないのだから失うものもないと考えるのは間違いだ。時間を失い、最も重要なチャンスを失い、得られたかもしれない幸せを失っているのだ。

・日本史だけを学んで近視眼的な日本人論を語れるようになっても面白くない。世界史、地球史、宇宙史と視野を広げていくことが必要だと思う。

・多くの学生、ビジネスパーソンはいまだに暗記を中心とした教育を受けている。暗記教育だけで育成できるのは、モノマネ文化だ。

・テレビの政治評論家やキャスターたちのように、他人を批判し続けることは、クリエイティビティとは逆方向だ。新しいアイディアは人や情報の組み合わせから生まれることが多い。その人や情報を否定してしまっては、良いアイディアは生まれないのだ。

・これからは、ますます先を見通す力が必要になる。ルールを作った者、変えた者だけが、利益を得ることができる時代であるからだ。

・疑う余地がないような論に対してこそ、疑うことをせずして、平均から逸脱できるはずはない。

・ヤフーやグーグルのようなビジネスモデルは、当初は非常識なものだった。「無料サイトでどうやってビジネスをするのか」と、誰もが思っていたのだ。そして広告でビジネスが成り立つということを皆が知ったときには、古い企業は死に絶えてしまった。

・途上国においては長男が親の後を継ぐことが多い。しかし、次男や三男は仕事を求め、新たな居場所を求めて外に出るしかない。働き口やポストはそれほどないから、彼らの苛立ちは募る。先進国の援助などもあって、飢餓や非識字者などの比率が下がると、今度は野心がぶつかり合うようになる。それがクーデターやテロ、虐殺などの原動力にもなってしまうということだ。これは、イスラム社会の現状を理解するための、一つの仮説である。

・実は薬害エイズを引き起こしたみどり十字の前身は日本ブラッドバンクであり、6名の取締役中3名は731部隊の生き残りだったのだ。悪魔は会社に姿を変えて生きながらえていたのである。

・本は読みたいときに買うのではなく、売っているときに買うものなのかもしれない。

・初代南極観測船として有名な宗谷は、もともと特務艦として第二次世界大戦前の1938年に建造された船だ。いまだに船籍を有している長命な舟だ。実のところ現存する希少な帝国海軍の艦艇なのである。

・驚くことに「宗谷」が砕氷船に選ばれた理由は「運の良い船」だったからだというのだ。

・西洋人が肉食なのは、気候には適合していたが、地力を消費する小麦を生産していたためで、小麦の休耕中の土地で家畜を育てたからだ。一方、アジアに適した米は人手がかかるため、アジアでは家畜を飼育する余裕はなかった。第三の主食源であるトウモロコシは成長も早く、手がかからないため、人的資源に余裕が生まれ、結果的に南米では巨大な構造物の建築が可能だった。

・ある意味で満州は2000年代の六本木ヒルズのような存在であったと思う。誰もが憧れるフロンティアであったのだ。だから当然、そこにはまさにヒルズ族がいた。

・日本人はおおむね戦史に弱い。ダチョウのごとく見たくないものは見ないようにしてしまっているようだ。戦争はないに越したことがないが、仮にまた戦争が起こったら、日本は戦力以前の問題でまず間違いなく大敗してしまうであろう。

・第二次世界大戦関連にしても、日本の帝国陸軍がいかにひどい軍隊であったかといったことが書かれた書籍は数多いが、いかにして負けたのか、なぜ負けたのかを分析した本はほとんどない。

・現代と古代の科学的知見や技術の差は、ひとえに蓄積による違いだけであって、古代の人間の科学的な思想や発想力は、決して現代人にひけをとってはいない。

・黒海はもともと淡水湖であったのだが、気候変動によって、湖の水が蒸発してしまい、その結果、湖は干上がり、地中海よりも150メートルも低くなってしまったという。あるとき、黒海と地中海を結ぶ海峡が破壊され、大量の水が黒海に流れ込んだ。黒海の周辺には、多くの人間が住みついていたのだが、この大惨事に、徒歩で逃げ延びた人はそれほど多くはなかったのではないか。それがノアの洪水という伝説を生んだという話だ。

・地球の空気が薄かった時代というのは、恐竜が闊歩していたころなのだ。つまり気嚢をもち、低い酸素濃度に適応できた恐竜が繁栄していた。鳥は恐竜の子孫ということになるのだ。

・アメリカのメディアは湾岸戦争以降、自国の正当化に終始し、戦争の悲惨さを伝える役割を放棄しているように見える。メディアの凋落はインターネットによるものではない。見るべきものを提供できなくなったからである。



実践! 多読術  本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21)

実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21)

  • 作者: 成毛 眞
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/07/10
  • メディア: 新書



実践! 多読術 ──本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21)

実践! 多読術 ──本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21)

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2010/07/10
  • メディア: Kindle版



タグ:成毛眞
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0