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『野蛮人のテーブルマナー ビジネスを勝ち抜く情報戦術』 [☆☆]

・インテリジェンス(intelligence)は、ラテン語のレゴー(lego:読む)とインテル(inter:~の間に)を合成して作った言葉で、「行間を読む」、「文字と文字の間の隠された意味を読む」という内容で、一般には知性を意味する。

・この研究員を「落とす」にはカネよりも効果的な切り口があると見たのでだろう。それは人間の「褒められたい」、「評価されたい」という欲望だ。筆者はこれを「認知欲」と呼んでいる。

・スパイ活動に引きずりこむためには、まず新聞報道についての教えを口頭で請い、謝礼を渡し、次に新聞報道をまとめるレポートを作ってもらい、そして情勢分析に関する調査報告書を書かせ、徐々に文書を作るのに慣れさせていくというのがこの業界の定石だ。

・動物は警戒している動物と同じ餌箱からエサを食べることを嫌がる。人間も嫌いな人とは一緒に食事をしたくないという心理がある。それを逆用して、一緒に食事をすることで、「あなたにとって私は危険な人物ではない」ということを深層心理に徐々に刷り込んでいくのが食事工作の基本だ。

・日本の刑務所やロシアのラーゲリに入ることによって、真人間になる場合も稀にあるのだろう。実際には、それよりも「塀の中」で、新たな犯罪の技法を覚えるとともに人脈を構築して、一段階ステージが上の犯罪者になる事例の方が多い。

・記憶術を強化するためにお勧めの技法は、文章の丸暗記である。イスラム諸国でコーランを全文暗記している人はあちこちにいる。

・書類整理についても、整理自体が目的となってしまわないように気をつける。「迷ったら捨てる」というのを大原則とする。

・小さな事について露見するような嘘を平気でつく人間は、大きな事では絶対に嘘をつく。

・いまの会社は終身雇用が崩れて能力主義になりましたが、それが逆に防衛本能の強いアルマジロをはびこらせる原因になっているように思えます。

・人が生きていく上で、3人寄れば必ず2対1となっていじめられる。だからいじめられるなんて当然のことと思って、絶対に負けちゃいけない。何があってもね。

・お互い波長の合う人たちと「ムラ」を作りなさい、ということですね。派閥のように利害で結びついたものではなく、「ムラ」の一員なんだからみんな助け合おうぜ、みたいなグループ。そうすれば一人で孤立しているという感覚もなくなって自殺も減りますよ。

・この映画の題名『グッド・シェパード』は、聖書の中のたとえ話からきているんです。100匹の羊の群れの中から1匹がはぐれてしまった。よき羊飼いは残りの99匹をほうっておいても、はぐれた羊を捜しに行く、というお話。でもここで問題なのは、はぐれた1匹は捜して欲しいと思っているのかどうか、ということです。要するに、お節介で自分たちでよかれと思っていることを人に強要する連中のことなんです。

・万年筆だとふたを開けたり閉じたり時間がかかるし、水に濡れたら溶けて字が読めなくなってしまうでしょ。だからプロは2Bの鉛筆を使います。

・僕は、朝鮮半島が統一されて大韓国ができるシナリオより、北が生き残るほうが日本にはいいと思う。統一されて強大になった韓国が日本に友好的になることはあり得ないからね。

・現代の世界構成は東西冷戦が終わった後に、帝国主義に入っている。資本主義の最高段階としての帝国主義。商品の輸出ではなく、資本の輸出が中心となった。政治支配を伴わずに、各国が国旗を掲げて、資本を植民地に輸出する。

・中国がなぜアフリカに大使館を多数置いているかといえば、そうしておかないとアフリカの国々が台湾と外交関係を結んでしまうからなんです。

・自爆テロの最大の敵は何かと言えば、地元に産業を作られることなんですよ。特に、軽工業、衣料とか食品。対テロに一番効果的なのは、食い物がちゃんとある体制作りです。やっぱり食い物は強いですよ。食料がちゃんとあれば、命を賭けてまでの義憤はでてこない。

・外務省は糖尿病なんですよ。糖尿病の患者に栄養を摂らせたらますます弱ってしまうでしょう。現在、外務省には5000人いますが、それすらもちゃんとマネージメントできていない。そこに3000人も増やしたら、組織は潰れておしまいですよ。





野蛮人のテーブルマナー

野蛮人のテーブルマナー

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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