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『脳がいきいき「五感力」の磨き方』 [☆☆]

・海馬の細胞は、年をとっても刺激があれば増えることがわかってきました。海馬の細胞を増やす方法は、3つあります。まず、体を動かすこと。次に、音やニオイといった感覚の刺激を与えること。そして、くよくよ悩むような形ではない形で頭を使うことです。

・LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)など、コミュニケーションに障害を持つといわれている子供たちの中には、「触覚」の使い方が自分でもよくわからず混乱している子供たちが多い。触られることをいやがる反応が、他人への乱暴な行動へつながったり、近づいてくる子をたたくことになったりします。

・ぼけになる人、アルツハイマー病の人に鼻が悪いケースが多いのも、匂いによる脳の刺激が少ないからではないかと推測されます。

・たくさんの匂い体験を育むこと。それは、豊かで彩りのある人生をつくり上げていくことです。

・現在の社会では、「匂うことはよくないこと」、「消臭しなくては」というヒステリックな傾向も見られます。

・最近、「情報」に振り回され、自分自身の「舌」や「感覚」で食べずに、「頭で食べる」「情報で食べる」行動が目立ちます。

・今から1200年以上前、桜島の火山噴火の音が平城京まで届き、その音を聞いていた人がいた、という記録が「続日本紀」に残っているそうです。

・1日のうち10分間だけピアノの音を聞くよりも、あとの23時間50分でどういう音を聞いているかのほうが、子供に与える影響ははるかに大きいはずです。

・「見ただけでわかったと思う」ことは、逆から言えば、「錯覚」という「間違いに陥るリスクを含んでいる」、ということでもあります。

・たとえば食品の賞味期限。冷蔵庫の中に入れたまま、忘れてしまった食品。匂いを嗅いで、色を見て、触って、「大丈夫」とか「もう腐っている」と判断する人と、「消費期限」や「賞味期限」の日付の数字だけを見て、ポイとごみ箱に捨ててしまう人、両方がいます。

・今の私たちは、「書かれた情報を見る」だけで、さまざまなことを決めるような生活をしがちです。便利だったり、速効性があるという理由で、他の感覚を使うことを忘れています。

・匂いの刺激は、脳にダイレクトに入るので、アルツハイマー病発症の予防ということでも、嗅ぐことは大事ではないでしょうか。

・最近、老人に化粧を施す療法なども話題になっていますが、顔がきれいになってうれしい、ということ以上に、化粧品から漂う匂いが刺激になっている、ということが関係しているのではないでしょうか。

・「香りの散歩」に取り組みます。身近な場所を1つ選びます。場所を設定したら、「匂い」に意識を向けつつ、鼻の穴をいっぱいに開いて、嗅ぎながら歩いてみてください。いつも気付かなかった、たくさんの匂いに出合うはずです。

・「意識化」することは、感受性を磨く入口。それだけでなく、「言語化する」ことで、感覚は記憶されます。脳への刺激を高めるために、感覚と論理的思考を合わせてエクササイズします。

・そこを訪れた学生の中には、サルの動きや表情などをほとんど見ずに、「あ、このサルは図鑑で見たのと同じだ」と照合ばかり熱心だったりする子がいる。彼はそれで「サルを見た」と思い込んでしまうんですね。

・正確に言えば、視覚に依存することが危ないというよりも、与えられた情報やイメージにばかり依存することが危ない。自分の目で見ているつもりでも、実は提供された「他者の視覚」をただ受け入れているだけにすぎません。





脳がいきいき「五感力」の磨き方

脳がいきいき「五感力」の磨き方

  • 作者: 山下 柚実
  • 出版社/メーカー: 健学社
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本



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