SSブログ

『シャーロック・ホームズの思考術』 [☆☆]

・逸れてさまよう「注意力」を何度も繰り返し自発的に連れ戻す能力が、判断力、性格、意志のまさに根源である。……この能力を向上させる教育が、卓越した教育であろう。

・ホームズのように考えるには、彼のように考えたいと積極的に望む必要がある。

・金融トレーダーは、天候が下り坂になるとリスク回避の決断をする可能性が高いし、太陽が出るとリスクを取る決断が増える。天候は美しい景色をつくる以上のことをしているのだ。

・第一印象はただそれだけのものであること、そして何がその印象を生み出したのか、その印象が自分の総合的目的にどう関係するかを、忘れずに検討すべきだということだ。

・私たちが何もかもすべてのことに気づくわけではないのは、何もかもすべて──すべての音、すべての匂い、すべての光景、すべての感触──に気づいてしまったら、頭がおかしくなってしまうからだ(実際、フィルターを通す能力の欠如は多くの精神障害症状の特徴になっている)。

・問題は、注意力の欠如というより、意識と目的の欠如なのだ。通常、私たちの脳は、私たちが前もって意識的に考えなくても、何に集中すべきか選別している。

・どんな状況でも、自分が何を達成したいのかを具体的にはっきりさせることは、限られた「注意力」という資源を最大限に生かす第一歩になる。

・効果的な訓練のひとつは、状況を始まりから全部、何も知らない他人に対して説明するように、声に出すか紙に書いて描写することだ。それはちょうど、ホームズが自分の推理をワトスンに話して聞かせることに似ている。

・私たちは表面的には創造性を重んじるが、心の奥底では想像力を非常に恐れているのだ。原則として、私たちは不確実性を好まない。不安になるからだ。確かなほうが、ずっと居心地がいい。

・想像力がなければ、到達することが可能な思考の高みには決してたどりつけない。せいぜいよくても、細部と事実を吐き出すのが得意になるのが関の山だ。

・場所は思考に作用する。言うならば、場所の変化が違う考え方へのきっかけになるのだ。

・練習を積んでいき、自分自身に対し、観察すること、想像力をはたらかせること、論理的に推理することを──そして、お昼に何を食べるか決めるといった、一見ばかばかしく思えるような場面でもそうすることを──課していけば、変化が起きる。思いがけず、いろいろなことが以前より少し円滑に運ぶようになる。

・何かを本当に信じたいときには、怪しんだり詮索したりしなくなる。「信じたくない」現象を認めるときよりも、調べることがおろそかになり、証拠を通してしまう。






シャーロック・ホームズの思考術

シャーロック・ホームズの思考術

  • 作者: マリア コニコヴァ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: 単行本



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0