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『亡霊ふたり』 [☆☆]

・のんきな学園生活は、自分にも他人にも期待しないところに極意がある。

・実話怪談は、固有名詞がボカされることはあっても、細部は詳しく語られてこそなところがある。

・犯罪は日常の中に埋めるのが理想なのである。警察に捕まらないことはもちろん、事件自体を発覚させないことを目指すべきだ。

・謎に出くわすのは奇跡、けれどその確率を上げることはできる。基本的なことを言えば、自分の活動範囲を物理的にも人脈的にも広げること。

・殺せる人間に会えるかどうか、殺せる場所を見つけられるかどうか、そうしたことは積極的に求めなければならない。黙ってて与えられるものじゃない。

・出場する選手が弱いわけではない。最初の一歩を踏み出す段階で、すでに覚悟を問われているからだ。不人気なスポーツをあえて選ぶ。それはたやすく飛べるハードルではない。

・興味がないならないで、利用できるとか思わない? 人脈は無形財産だよ。繋げておくに越したことないというか、友達として繋いでおけば、なんかの時に役立つかもしれないじゃん。

・悪人でもないけどね、他人事だということもあり、正義感で物を考え、当人より簡単に人を疑う。

・おまじないは叶う叶わないじゃなく、迷っている人に一歩踏み出させるところにその意義があるわけだから。

・けれど憧れでは同じ地平に至れない。最初の一歩を踏み出すきっかけにはなっても、動機として握り続けているには、夜見る夢のように頼りない。

・ボクシングをざっくりと、時間の割り算だと考えている。一秒をどれだけ細かく刻めるか問われた時、九つ刻める者は、七つ刻める者より有利になる。相手より多くのタイミングを見ることになるからだ。

・地産池消、コストもリスクもそれが最小限。

・自分の人生のために他人を殺そうとする、そんな悪党同士のぶつかり合いに手加減は要らない。守るルールもない。それだけ自由なのだ。

・自分たちの人生から拾った教訓だ。他人から教わったもんじゃないから、余計に譲らない。

・考えたことを全部口にするってさ、聞いてくれる相手に甘えてるのと一緒なんだよね。

・あたしに恋愛が判らないのは、生きることの素晴らしさが判ってないからなんだってさ。次の時代に命を繋ぐことが大切に思えないから、色恋にも熱心になれないんだって。





亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)

亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 詠坂 雄二
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/12/11
  • メディア: 単行本



タグ:詠坂雄二
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