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『エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守』 [☆☆]

・事故物件に一定期間人を住まわせれば、事故物件だと告知する義務がなくなるそうですよ。

・事件というものは、必ず犯人が何らかの利益を得ています。金銭であったり、鬱屈した感情の発散であったりと、利益の形はさまざまですが。

・非常識な行動を取ることでアンカーを作り、僕を非常識な人間であると認識させました。そうすれば、非常識な行動を取られることが嫌いな黒川弁護士は、非常識な僕の、常識の範囲内での依頼を了承しやすくなる、という理論です。

・最初に最大限の非礼を行っておけば、それがアンカーとなって、最初の非礼よりもマシな行動をすれば許されやすくなるってことですか。

・事件が起こると、まず身内や被害者周辺の人間を疑ってかかる。日本では、親族や顔見知りによる犯行が非常に多いからだ。

・連続殺人犯の多くは複数の場所で犯行を起こし、それぞれの犯行の間に感情的な冷却期間を置くと言われてるんですわ。これは、冷却期間のない大量殺人犯との大きな違いや。

・面接から得たデータというものは、面接官が無意識に必要としているデータ、つまり面接官が持つバイアスのかかったデータなのです。

・経験ありきの非汎用性。

・利益を得られるチャンスがあると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先します。逆に、損失を前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向があるということです。計算すると、利益よりも、損失の方が人間は2.25倍大きく感じるようです。

・合理的殺人を犯す人間は、富の増加を目的としています。富の増加とは、金銭的なものだったり、その人間が消え去れば地位が向上するといったものです。そして、その反対が感情的殺人です。

・感情的殺人では、殺すことが目的です。そういう事件を起こした犯人は、多くの場合、犯行後になって初めて逮捕される確率を下げる行動を取ります。現場から慌てて逃げ出したり、証拠隠滅をはかったりという行為のことです。このような現場には、加害者を特定するような証拠が多く見つかります。

・買い物をすれば、資産が減るというデメリットがあるにもかかわらず、ブランド品を買ったりするでしょう? 犯罪もそれと同じで、殺人を犯すことによって、逮捕されるリスクを上回るほどの満足を得られる人間も存在するのです。

・体罰など、知能の低い人間が行う愚行です。

・二人の息子を、子供ではなく大人として扱っている印象を受けた。子供に対して、大人の振る舞いを要求することは、果たして子供たちにとって居心地のいいものなのだろうか。

・それは、まだ日本が、殺し屋の仕業を自殺や事故死と区別できないからですよ。だから、日本の警察は、プロの殺し屋を捕まえられないんです。

・日本は、司法解剖をせず、他殺の証拠がないと判断した死体については、不審死であっても自殺や事故死ということで処理をします。それはつまり、自殺や事故死を装った殺人を犯せば、司法解剖という手続きを通過せずに済む可能性が非常に高いということです。

・日本はプロの殺し屋を捕まえる体制が整っていません。その理由は簡単です。プロの殺し屋が証拠を完全に隠せば、自殺や事故死だという状況を演出できる。それにもかかわらず、何の疑問もなく、警察はそれらを自殺や事故死と処理してしまう組織になっているんです。

・人は、自分の考えに沿った情報やデータに意味づけをするのが好きな生物なのです。自分に都合が良く、意味を作れる情報だけから「きれいな結論」を導きたいという衝動に駆られてしまうのです。

・人がリスクを覚悟する時は、何かを得る場合ではなく、何かを失う場合の方が多いと経済学で証明されています。

・バイアスを回避する方法の第一歩。それは、バイアスを意識し、自分を疑ってみることだ。自分の苦手意識すら、疑うことだ。





エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

  • 作者: 石川 智健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/03/13
  • メディア: Kindle版



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