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『バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」』 [☆☆]

・仕事の目的は、お客さまの「欲しいと思う心」「そこに行きたいと思う心」を創ることであって、モノやサービスはそのための手段、つまりHow toにすぎないんだ。

・苦手な分野に関しては「バカと呼ばれる勇気」を持つことが大事だ。そうすれば他人が自分の仲間になってくれる。

・広告は今や、ダメな新商品をマスコミにお金を払ってごまかしている、と思われることも多い。

・平民が買えないクルマにしなければ、王族は興味を持ってくれないよ。

・ドイツから見た日本の技術者は、日本から見た新興国の技術者と同じ。いくら商業的に成功していると言っても、要は手頃で安い車を壊れないという信頼で売ってきただけだろう、と。

・答えは過去にある。未来には可能性と失敗があるが、過去には答えと事実だけがある。

・相手の過去と現在を知り、未来への提言をしてあげる。異性を口説くのと同じだよね。ただ素敵と褒めても振り向いてくれない。その人の過去と現在のありのままを見つめ、ふたり一緒なら未来をどう素晴らしくできるか、真剣に語りかけるしかない。

・価格つまり○○円という値段は、コミュニケーションツールにすぎない。それは貨幣が交換というコミュニケーションのために生まれたから当然のことだ。だから値段が示されたとたん「安くしてよ」という値引きのコミュニケーションが始まる。

・価値の本質って何だろう? それは「時間によって変化しないもの」だ。

・GT-Rは、新車から3年後の残存価格率の日本一を目標にした。たとえば日産やトヨタ車は3年後に50%以下の値段となり、6年後ならゼロだ。BMWやベンツは3年後なら70%前後、ポルシェなら75%となって売られている。GT-Rはさらにその上、3年後の残存価格80%以上を実現した。

・チームの現状を正確に把握して、将来の計画を作る──名参謀の条件である。

・人間、自分にメリットのないことをするのは基本的に嫌なのだ。なのに、上司はよく「会社のために」という第三者のメリットとして説明する。それじゃ印象に残らない。

・「やれるな?」「はい、分かりました」。そのやりとりだけで、実行できると思う方が甘い。もし、放っておいて部下がいいものを仕上げてくるなら、部下の方がむしろ仕事ができるんだなと反省したほうがいい。

・「計画と違うじゃないか! 勝手に変えやがって」と言う人間は、自分が計画を投げっぱなしにして、後で結果だけ見て怒っているということに気づいていない。実行段階に移ったからといって、完全に人任せにしてはダメなのだ。

・組織の縦の命令系統ばかりを重視するアメリカ型マネジメントでは、1を頼んだら1の仕事しかできない。本来、日本人の良さは1頼んだことに対し、現場の知恵が加わって2にも3にもできることにある。それが日本の文化であり、日本の力の源泉だったのだ。

・ポルシェやフェラーリのような少量生産のスポーツカー専業メーカーは、1個1個手で部品を調整しながら組み付けて、それをクラフトマンシップと言ったりしているが、それじゃ1台1台性能がばらつてしまう。いわば「当たり外れ」がある商品をお客さんに渡すことになる。

・流行りのスマホでも、使いもしない機能をあれもこれも詰め込んだ挙げ句、バッテリーが1日も保たなかったりする。実際に使うユーザーのことがまったく見えていない。独りよがりなモノ作りの象徴と言える。

・そもそもスマホを誰に向けて作るかという時点で間違っている。日本メーカーはターゲットカスタマーを10代、20代に設定してしまっている。よりによって一番お金を持っていない世代に売ろうとしているのだ。だから、パナソニックもNECも利益が上げられず撤退していく羽目になった。

・ニューヨークは若者を惹きつけ、年寄りが出ていく街。フェニックスは、リタイヤした老人が流入しては死んでいく街。いずれにしても住民が新陳代謝を繰り返している街は栄えるということだ。逆に、生まれてから死ぬまで一人の人間がずっと住み続けるような街は活気を失う。

・アメリカでは産業がなくなった都市からは人が消え、あっという間にゴーストタウンになる。一方、日本は産業がなくなっても住み続ける人が多いからゴーストタウンにはならないが、じわじわと衰退し財政破綻する。夕張市などはその代表例だろう。

・一夫多妻というのは、男が財力にものをいわせて女の侍らせて喜ぶための仕組みじゃない。生き残りのための知恵、種の保存という動物的な本能から生まれてきた制度なのだ。

・ラマダン(断食)だって、もともとは食料がない時期に耐える精神力、体力を付けるための訓練だ。

・豊かな土地と水に恵まれ、農耕が発達したインドや中国では、定住した人々がいかに争いを避けて生きていくかが重要だった。だから、仏教という宗教は慈愛、慈悲がベースとなっている。

・キリスト教は多民族国家の中で社会の支配構造を保つための宗教だ。その原理が今でも残っているから、欧米社会では支配する側と支配される側がハッキリと分かれている。

・一夫一妻という価値観は、封建制度の領主が領民を土地に縛り付け、安定した税収を上げるために編み出したものだ。

・インターネットを利用して儲ける人間と、インターネットに支配され奴隷になる人間。ITを巡って人間や民族が両極化するのが21世紀の文明の特徴だ。

・一般の人はそれがガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車、どれなのか見分けが付かないと思う。電気自動車の新しさが感じられない形をしているから、つい今までのガソリン車と比べて、ユーザーは「航続距離が短い」「充電が面倒」「価格が高い」と文句を言い出して、「ガソリン以外はデメリットが多い車」という評価になってしまう。

・使っている時間よりも、ただ置きっぱなしになっている時間の方が長いというところに、従来の自動車の最大の欠点があったと言ってもいい。でも、それがもう一つの部屋になるとしたらどうだろう? 電気自動車の居住スペースを家と一体化させるのだ。

・日本中を200ボルトに変えるということは、新しく効率のいい電気製品の消費を促すという意味でもメリットがある。エコポイントなんて形で税金をばらまくよりずっといい。

・決断の「断」とは、過去を遮って新しい道に進むことだ。それに対して「決定」というのは、今までの延長で進むだけ。決心・決断と決定は違う。

・安かろう悪かろうの車を売って、買い換え需要に期待するという発想は貧困すぎる。利益が低い商品を2台売るよりも、利益が3倍ある車を1台売る方が誠実だし、省エネ、エコロジーでもある。

・住宅メーカーは、外壁素材やオール電化やホームセキュリティなど、スペックを満たした「いいモノ」を作ることに躍起になっていて、ユーザーが本当に望んでいる「いい家」の本質を理解していないのだ。

・銀行や証券会社は、F1を見ているファンに社名をPRしたくてスポンサーをしているだけではない。F1が開催される国々で一番金と力と名声を持っているトップレベルの人間と社交の場を求めているのである。ビジネスチャンスを拡げるには絶好の機会なのだ。

・最近は新興国である中国やインドでF1が開かれるようになった。F1の開催国の変遷を見れば、これから利権が開拓されていくマーケットはすぐに見える。

・サッカーのワールドカップは20014年がブラジル、次がロシア、その次がカタールに決まっている。完全にマネーの動きと一致していることが分かるだろう。

・人間にとっての一番重要な能力は創造力だ。でも、学校で求められるのは記憶力だけ。学校の成績がよければよいほど、記憶=過去に縛られた人間になる。

・フォローをするときは、「あの人の巻き添えを食いたくないからフォローしておく」という姿勢ではなく、「あの人を成功させたい」というスタンスで臨むべきだ。

・株式だって、底値で買うから上がったときに儲かるのであって、上がった状態で買っても利益は出ない。最悪をチャンスと考えられるのが成功者。最悪から逃げようとするのは凡人。

・よくバックパックと寝袋で貧乏旅行をしている若者がいるが、旅の経験はできても、文化や価値観やそれを創っている階層の人とは知り合えない。最低でも、中の上レベルのお金をかけて旅をしなければ仕事のための自己研鑽にはならない。

・中産階級~支配階級の文化、考え方を身をもって知ることが旅の意味なのだ。

・自分の弱みを見せなければ、助けてくれる人は永遠に現れない。

・腹を立てているだけじゃ敗者のままだ。相手をねじ伏せて、自分の力に変えてこそ勝者になれる。相手を踏み台にして、倍の成果を出させる。それが本当の倍返しってもんだ。

・世の多くの男性が「家のことは任せた」と言いながら、後からあれこれ口を出すから喧嘩になる。権限を委譲したら、口を出さないのは家庭でも一緒だ。

・イギリスの老人で杖をついている人が多い理由を知っているだろうか? 実はイギリスの水にはカルシウムが多く含まれ過ぎていて、歳を取ってくるとそれが足の関節に蓄積してしまうのだ。だから、足首が曲がりにくくなって杖をつく羽目になる。

・日本は元々火山列島だから水の中にカルシウム分が少ない。身体にも処理する仕組みがないから、カルシウム分を摂り過ぎると、胆石や結石になりやすくなる。

・ドイツの水道水で頭を洗っていると、カルシウムが多いから髪がキシキシしてくる。そのまま乾かして放っておくと、頭皮が水分を取られてバサバサになるから、異常にフケがでてくる。ドイツ男性は40代で60パーセントが禿げると言われるが、それは水のせいもあると思う。

・「ここまでよくがんばったよ。もう死んでもいいよ」と自分を褒めて死んでいきたいと思う。死ぬときぐらいは自分を褒められる自分でありたい。

・余談だが、日本は駕籠の文化で、だから自動車開発も動力という本質よりハコの装飾に向かう気がするな。





バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」

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  • 作者: 水野 和敏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/27
  • メディア: 単行本



バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」 (文春e-book)

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