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『アルゴリズムが世界を支配する』 [☆☆]

・人間を模倣し、徐々に人間に取って代わっていくようなアルゴリズムを作り出せる能力が、これからの百年を支配するためのスキルだ。

・アルゴリズムとは無数の二者択一からなる巨大なディシジョン・ツリーだととらえることができる。

・私たちのやることなすことほぼすべてが──車の運転から株の売買にいたるまで──二者択一の無数の要素にまで分解することができる。

・ダウ・ジョーンズとブルームバーグでは、トレーディング・ボット専用のニュース配信サービスを行なっている。書かれたニュースは人間にはチンプンカンプンだが、ボットにはちゃんと理解できるようになっている。

・大声で吠える恐ろしげな男たちの群れに象徴されていたマーケットは、今では絶えず検証し合い、優位性を把握し、意図があるふりをして騙し合い、トレーディングを通じて学習までしていくアルゴリズムたちの戦場へと変貌したのだ。

・現代のマーケットはまるで、アルゴリズムという名の古代ローマ戦士の戦いを、私たち人間がコロシアムで眺めているような状態になっている。

・アルゴリズムが51%の勝率さえ保てれば、利益を出すことができる。しかし51%の勝率では、1日10件の取引しかしないトレーダーは大きな損失を出す可能性がある。10件のうち7件負けることは十分あり得るからだ。そう、高頻度トレーダーには「高頻度」である理由があるのだ。頻度が上がれば上がるほど、利益の出る取引の確率は51%に近づいていくのだ。

・アルゴリズムは新しいアーティストを見つけ出す能力はあるものの、過去に流行った曲に基づいて判断を下すため、昔と同様、やはりすぐに忘れられるようなポップミュージックを選び出す。

・すべての音は、トーンでできている。音楽のトーンは、周波数と振幅からなる。トーンの周波数は音程に関係し、振幅は音量に関係する。そしてトーンの組み合わせがコードを生み出す。

・ピアノは鍵盤が小さなハンマーで弦を叩くことによって音を出す。しかし、ひとつの鍵盤のハンマーは、1本の弦だけを叩くわけではない。実際、高音部では3本の弦で音が出る(中音部では2本の弦、低音部では1本の弦)。

・テクノロジーは常に、特権を持った少数の人々からはじまるものだが、その中でも巨万の富を得るのは、そのテクノロジーを大衆まで広げた人だ。

・あなたのポケットに入っている携帯電話は、1980年代初めごろのスーパー・コンピュータよりも高性能だ。

・文章の構造、動詞や述語や代名詞の選び方などはすべて、大半の人が幼少の頃から持っているはっきりとした性格の特徴を示している。

・年齢を重ねるにつれ、ボキャブラリーは多様化し複雑に増えていくが、我々の話し方──文章の組み立て方──は変わらない。その組み立て方こそが、人がどのようにロジックを展開するか、プレッシャーの中でどのように行動するかについて、驚くほどたくさんの手がかりを与えてくれる。

・カナダには英語・フランス語の2種類の公用語があるため、1年分で何百万語にも達する議事録を、両方の言語で入手できる。

・「私が知り得る最も頭の切れる人々」を採用した。最も頭の切れる人たちを採用して必要なスキルを教え込む方が、すでに正確なプログラミング能力と論理スキルを持つ普通の人を雇うよりも、より効果的だということに気づいていた。

・音声認識ボットは、詐欺電話を阻止する能力を持っている。人間の声とは、指紋と同じくらい一意的に区別できる。ボットは電話をかけてきた相手の声をマスター・データベースに電子的に記録し、過去の詐欺電話の声を保存したデータベースと照合することができる。

・Facebookによれば、ユーザーの半数が1日に最低1回はログインするという。電子メール以外でそんなプラットフォームは他にない。

・収益1千億ドルの会社が5%の効率化を行なえば、それだけで50億ドルも純利益が増加することになる。同じ収益を新製品から叩きだせることはまれだ。そのため、大企業はしばしば管理が過剰になる反面、技術革新には後ろ向きになるという罠に陥ってしまう。

・話し方によって、その人が序列のどのあたりにいるのかを知ることができるのだ。影響を与える側であるインフルエンサーは、どんなときも話し方にほとんど変化がない。しかし影響を受ける側は、インフルエンサーに近づくためにしばしば話し方を変える。これは電子メールのような文書によるコミュニケーションにも当てはまる。言葉にはその人の影響力の有無があらわれるからだ。

・序列は一定の言葉──冠詞、助動詞、接続詞、よく使われる副詞──の使い方によって見極めることができる。

・理数系の天才とは、数学や理科の一般的な試験で良い点をとることではない。実践すること、そしてプロセスを学ぶことに時間をつぎ込める人間が天才になれるのだ。

・プログラムを書ける人間にとって、未来の可能性は無限にある。複雑なアルゴリズムを理解し組み立てることができればなお良い──世界を征服できる可能性がある。



アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

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  • 作者: クリストファー・スタイナー
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