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『アメリカはアートをどのように支援してきたか』 [☆☆]

・図書館はまた、売れない作品に対して安定した需要を提供している。

・政府が歴史的名画や巨匠の作品を所蔵する美術館を運営するとき、それは飲料水供給と同じような事業に取り組んでいるといえる。良い飲料水と同じように、過去の偉大な芸術についての意見の不一致は比較的小さいものだからである。

・一説によると、盗難もしくは密輸された芸術作品の国際的取引は、年間で10億ドルの規模になるという。

・最近は刑務所アート・プロジェクトは縮小されるようになった。それは、アート作品を制作する道具のほとんどが武器としても使用可能であるため。

・大学のラジオ放送局、そして大学をめぐるツアー公演は、独立系インディーズのロックバンドが成功するためには極めて重要なもの。

・芸術の中で政府が役割を担おうとするのは、ゴリラが針に糸を通すようなものだ。最初は可愛らしいが、そのうちに不器用でぎこちない有り様になるし、それに何といっても不可能なことだ。

・CIAは文化自由会議(CCF)を通じて芸術に資金を提供していた。CCFは、リベラルおよび左派知識人を支援するネットワークと共産主義に反対するクリエイターたちに資金を提供し、さらにそれに関連する広範な文化活動にも援助を行なった。

・コーヒーテーブルの上に置くため、友だちに見せるため、あるいは何らかの意見や意図を表すため、さらにはセレブリティであることを表現するひとつの方法として、人々は本を買っているのである。

・しかし読書ということに関してインターネットで世界中の文学やテキストが無料ですぐに利用できるようになっても、実際のところほとんどの人は気にしない。そもそも、多くの人々は、本を読みたいとか読書したいとは思っていない。

・高い価格に反発する人たちはすでに市場から離れてしまっただろうから、価格はさらに上がっていくことになるだろう。

・ポピュラー音楽部門は、世間から注目されて知名度があるにもかかわらず、他の多くの経済部門と比較するとその規模は小さい。たとえばコカ・コーラ社だけで音楽産業全体の約二倍の年間収益をあげている。

・ほとんどの消費者は、批評家による評価があるにもかかわらず、1950年に発表された音楽を積極的に購入しようとは思っていない。1650年の音楽になるとさらに人気は低くなる。

・流行に敏感なことを示すため、最新のトレンドに乗るため、さらには自分たちを前世代の人々と区別するために、人々は音楽を買う。

・彼らは「次のブーム」に乗りたい、参加したい、その一部になりたいと思っているのである。

・ほとんどの映画はB級作品にすぎず、事実上は「テレビ用に制作された」ような映画が大きなスクリーンで上映されていた。テレビが映画市場のこの部分を奪い取ったが、その代わりにハリウッドは大きなスクリーンで観るスペクタクルで華々しい映画、そしてコストがかかる特殊効果に資金を投じるようになった。

・かつて1960年代には大衆の権利のために闘う過激派であり時代の代弁者であったボブ・ディランも、著作権延長を支持するロビー活動の中に加わるようになった。

・もし、著作権保持者が、この本は一回しか読んではいけないとか、月に一回しか読んではいけないと言うとしたら、著作権法は、このような規制が行使できるよう、著作権保持者を支援するだろう。

・フィルム一巻の撮影可能時間は約10分のため、10分以上連続して撮影できないという制約があるが、デジタルカメラなら一回の撮影時間は長くなり、フィルムでは撮れない映像がデジタルでは撮れるようになる。



アメリカはアートをどのように支援してきたか: 芸術文化支援の創造的成功

アメリカはアートをどのように支援してきたか: 芸術文化支援の創造的成功

  • 作者: タイラー コーエン
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: 単行本



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