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『子どもが心配 人として大事な三つの力』

・非行化の分岐点は「勉強についていけるか、いけないか」と感じます。

・いまは「みんな違っていい」とよく言われますが、子どもの多くは「みんなと同じがいい」と思っています。「みんなと同じじゃなくてもいいんだよ。自分のやりたいことをやろうよ」なんていうのは、大人の勝手な理論でしかないのです。

・みんなと同じようになるのが大前提で、多様性はそのうえに乗っかっているもの。最近はそこを勘違いして、「多様性」という言葉を簡単に使いすぎているような気がします。

・人が一番幸せを感じるのは、人の役に立つこと。

・日本には「三つ子の魂百まで」という言い伝えがあります。「幼いころに形成された心は老年になっても変わらない」ということを意味しますが、同じようなことわざが世界中にあって、少なく見積もっても150以上の国で伝えられています。

・昔は数え年ですから、「三つ子」は二歳くらいでしょうか。だとすれば、ゼロ歳から二~三歳くらいにどんなことをどんなふうに教育するかは大変重要だということです。

・バーチャル体験への依存が高まると、「知っている」という思い込みがどんどん強くなることも問題です。私の言う「バカの壁」をより堅固にし、自分が知りたくないことについて自主的に情報を遮断する危険がより高まりそうです。

・脳科学から言うと、「神が降りてくる」とは、演技への集中が極まると、前頭葉の働きがピタッと止まった状態らしいとわかりました。鍛錬を積んで、身体と一体化した演目が、前頭葉の判断・指令を必要とせずに、自動化されて演じられたとも捉えられます。

・何かに依存していることと、何かに夢中になることとはまったく違う。一番の違いは、何かに夢中になっている自分自身を客観視できているかどうか、でしょうね。たとえばファーブルは、自分自身が周囲の人たちとは違う、変わっていることを自覚していました。

・人工知能でも、自然知能でもない「天然知能」が創造性を生み出す。

・大学で教えていると、「よくここまで上手に教育制度に適応してきたな」と思ったこともしばしばです。これは褒め言葉ではなく、「自分の頭で考えず、何の疑問もないまま頭に知識を詰め込んできたんだね」という半ば皮肉です。



子どもが心配 人として大事な三つの力 (PHP新書)

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  • 作者: 養老 孟司
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