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『まごころを、君に』 [☆☆]

・昔、高校野球では水を飲まないのが鉄則だった時代があると聞くが、熱中症で何人死んだだろう。もしかしてガキのくせに野球にかまけている馬鹿を淘汰する陰謀だったのだろうか。

・ザリガニなんか口のすぐ横から尿を出す。無神経極まりない下等生物どもだ。

・菌の世界では数で勝負の陣取りゲームなので、普段から、「善玉菌」がたくさんいると、「悪玉菌」が入ってこられない。日本人の大好きな「抗菌」はいいことばかりじゃない、ずぼらなのがかえって病気を防ぐのに役立つこともある。

・ファンと逆サーモなんて、日本の工業技術なら素人でも作れるものが、素人でも作れるがゆえについ最近まで商品化されていなかった。

・稀にいる雄の三毛猫というのはXXY、ヒトで言うクラインフェルター症候群なんです。X染色体が二つで不活性化が起こるために茶と黒のモザイクが発現するが、代わりに通常の雄のような生殖能力がない。

・「何をしたらいいのかわからない」のではなく「何をしたらいいのか考える気力もない」のではないだろうか。

・オオカミ犬とか聞くとすげーでしょ雑種とは思わないでしょ。

・一匹だけ増やすと古参が新入りをいじめたりするので、いっぺんにたくさん入れて環境を急変させてしまった方が、元いた魚もどれをいじめていいのかわからなくなる。

・高校野球にすらシード枠があるように、学校教育に絶対の公平などないのだ。

・たとえば女の子を好きになったり。たとえば友達を気遣ったり。たとえば自分のために涙を流したり。彼はそういうことの全てを捨てた。だから彼は強いのではなくて、力の配分が常人と違うだけなのだ。

・何のために水草の育成に、日光を遮ってわざわざ「限りなく日光に近い」高価なメタルハライドランプを使うか。水族館みたいな巨大な水槽でない限り、直射日光を当てると水温が急上昇してしまうからです。真夏の車内で、一人取り残された子供が熱中症で死んでしまうように。

・自殺に焼身とか自分が苦しいようなエグい死に方を選ぶのは過激な自己主張、ぶっちゃけあてつけの要素が強い。

・どうしようもないような悲しいことは知らせない方がいいと思いませんか? 真実を包み隠さず教えることだけが正義じゃないし、優しさじゃない。

・妊娠がわかるとイヌのように安産でありますようにと腹帯をするのに、いざイヌのようにたくさん子供を生むと嫌がられる。

・アメリカの飼いネコのクローンを作る会社、受注がなくて早くも一軒倒産しちゃったんですって。資本主義は残酷ですね。ペットロスを克服するには同じネコを復活させるより、新しいのを買った方が早いってことが証明されてしまった。

・様々な可能性を、彼女は突然に失った。結婚、恋愛、出産、勿論人生はそれだけではない。しかし自分で選ぶのと、奪われるのとでは全然違う。

・そういうどうでもいいことが、世の中には必要なんだよ。何もかもいちいち意味を考えてたら疲れるだろ。



まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

  • 作者: 汀 こるもの
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/09
  • メディア: 新書



タグ:汀こるもの
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