『ポール・スローンのウミガメのスープ』 [☆☆]
・彼は多くの人間にグリーンランドに移住してほしいと願い、魅力的に聞こえるようにこのような名前をつけたのである。誤った認識を意図的に与えるラベル表記は、千年以上前からあったのだ。
・人は自分の首を絞めて死ぬことはできない。死ぬ前に気絶し、首を絞める力がゆるんでしまうからだ。
・それまで、医者たちは人体の仕組みを知るのに、主に死体を解剖していたが、これらの死体は常に横たえてあった。一方、レントゲンは立っている人物に対して使うため、臓器の形や位置が、解剖した死体とは違って見えた。それを病気と読み違えた医者たちは、レントゲン写真に写るありもしない異常を治療しようとしたのだ。
・10ドルではなく9ドル99セントのように、大台をわずかに下回る値段をつける店は少なくない。消費者心理をくすぐって安く感じさせる作戦と思われがちだが、実はそうではない。本来はどういう理由で導入された価格設定法だったのか? 会計のたびに店員にレジを開けさせて釣り銭を渡させるのが、経営者側の狙いだった。細かく釣り銭を出す必要があれば、そのつどレジの機会に記録が残り、店員の不正を防ぐことができるからだ。
・驚くべきことに、長大なパナマ運河の最西端は本当にカリブ海につながっており、最東端は太平洋につながっているのだ。帯状のパナマ地峡に沿って、運河は北西(カリブ海)から南東(太平洋)へ流れている。
・昔はボタンつきの服が珍しく、裕福な人にしか着られなかった。当時、裕福な女性はメイドに服を着せてもらうのが常だった。メイドは女主人と向き合ってボタンをかけるので、メイドが右利きの場合、ボタンは左側についているほうが着せやすかったというわけ。
・右足用と左足用に分かれた靴を、最初に履き始めたのがジョージ4世だった。それ以前の靴は、どちらの足も同じ形だったのだ。
・贈られたのは珍しい白い象だった。その巨体ゆえに、飼育には莫大な費用がかかる上、白い象は神聖な存在なので力仕事に使うことも許されない。さらに王からの贈り物とあっては手放すわけにもいかない。言い伝えでは、王は気に入らない者や失脚させたい者に、この白い象を贈ったという。英語をはじめ各国語で、使うあてがないのに捨てられない持て余しものを「白い象」と呼ぶが、この表現のもとになったのがシャムの王の逸話である。
・ヘンリー・フォードはいつも、食事相手がスープを飲む様子を観察していたという。ひと口も味見しないうちに塩をふったら、その人物は雇わない。味見しなければ、スープの塩加減はわからない。食事中の小さな行為ひとつで、その人物が状況をじゅうぶん見極めて判断する人間か、視野の狭い人間かを見分けられるというのが、フォードの持論だった。
・鏡に映っているのは、自分から発せられた光が反射してできた像。つまり、今の自分ではなく過去の自分を見ていることになる。
・ガラスに亀裂が走る速さは、時速4800キロを超える。
・国際法上、大使館の敷地内はその国の一部と見なされる。つまり配達人の男は、30カ国をパスポートなしで訪れたことになる。
・全身を鎧で固めた騎士は、王のそばを通るとき、自分の顔がよく見えるように、兜の目庇を片手で上げた。この動作が転じて、上司への敬礼となった。
・アメリカ軍は、対空砲火の攻撃を受けなかった箇所を強化した。無事帰還した機体には被害がないか、致命傷とならない程度の損傷が見られる。いっぽう、撃墜されて帰還を果たせなかった機体は、致命傷を受けたと思われる。ここから「撃墜機は、帰還機が攻撃されなかった箇所を攻撃された」という結論が導き出された。それらの箇所を補強した結果、アメリカ軍爆撃機の撃墜数は大幅に減った。
・中国には、寒い夜の湯たんぽ代わりにブタを寝床に入れる風習があった。その際、触り心地をよくするために毛を剃ったのだ。
・当たり前だと思っていることでも、実際に質問してみると意外な答えが返ってくることもあります。
・月に降り立って月面を歩いた人間は、12人だけである。
・南北戦争のあいだ、大砲を連続して撃つと雨が降り出すということがよくあった。調べてみると、雲に向かって大砲を撃てば雲に保持された水分が雨になって降ってくる、ということがわかったのだ。
・キリンの平均血圧は人間の3倍である。そのぐらい血圧が高くないと頭まで血が回らない。あれほど首が長いんだから。
・スペースシャトルが離陸するとき、排気炎はかなりの長時間地面に届いている。排気炎でつながっていると、シャトルから地面まで電気が通りやすい状態になる。このため、シャトルは離陸時に落雷を受けやすいので。
・ラパスは世界で一番高いところにある首都で、標高は3300~4100メートルである。高度が高くて酸素が薄いためにものは燃えにくく、だから火事も起こりにくい。
・人は自分の首を絞めて死ぬことはできない。死ぬ前に気絶し、首を絞める力がゆるんでしまうからだ。
・それまで、医者たちは人体の仕組みを知るのに、主に死体を解剖していたが、これらの死体は常に横たえてあった。一方、レントゲンは立っている人物に対して使うため、臓器の形や位置が、解剖した死体とは違って見えた。それを病気と読み違えた医者たちは、レントゲン写真に写るありもしない異常を治療しようとしたのだ。
・10ドルではなく9ドル99セントのように、大台をわずかに下回る値段をつける店は少なくない。消費者心理をくすぐって安く感じさせる作戦と思われがちだが、実はそうではない。本来はどういう理由で導入された価格設定法だったのか? 会計のたびに店員にレジを開けさせて釣り銭を渡させるのが、経営者側の狙いだった。細かく釣り銭を出す必要があれば、そのつどレジの機会に記録が残り、店員の不正を防ぐことができるからだ。
・驚くべきことに、長大なパナマ運河の最西端は本当にカリブ海につながっており、最東端は太平洋につながっているのだ。帯状のパナマ地峡に沿って、運河は北西(カリブ海)から南東(太平洋)へ流れている。
・昔はボタンつきの服が珍しく、裕福な人にしか着られなかった。当時、裕福な女性はメイドに服を着せてもらうのが常だった。メイドは女主人と向き合ってボタンをかけるので、メイドが右利きの場合、ボタンは左側についているほうが着せやすかったというわけ。
・右足用と左足用に分かれた靴を、最初に履き始めたのがジョージ4世だった。それ以前の靴は、どちらの足も同じ形だったのだ。
・贈られたのは珍しい白い象だった。その巨体ゆえに、飼育には莫大な費用がかかる上、白い象は神聖な存在なので力仕事に使うことも許されない。さらに王からの贈り物とあっては手放すわけにもいかない。言い伝えでは、王は気に入らない者や失脚させたい者に、この白い象を贈ったという。英語をはじめ各国語で、使うあてがないのに捨てられない持て余しものを「白い象」と呼ぶが、この表現のもとになったのがシャムの王の逸話である。
・ヘンリー・フォードはいつも、食事相手がスープを飲む様子を観察していたという。ひと口も味見しないうちに塩をふったら、その人物は雇わない。味見しなければ、スープの塩加減はわからない。食事中の小さな行為ひとつで、その人物が状況をじゅうぶん見極めて判断する人間か、視野の狭い人間かを見分けられるというのが、フォードの持論だった。
・鏡に映っているのは、自分から発せられた光が反射してできた像。つまり、今の自分ではなく過去の自分を見ていることになる。
ポールスローンの腕を送る男―水平思考推理ゲーム (ウミガメのスープ (2))
- 作者: ポール・スローン
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2005/10/12
- メディア: 単行本
・ガラスに亀裂が走る速さは、時速4800キロを超える。
・国際法上、大使館の敷地内はその国の一部と見なされる。つまり配達人の男は、30カ国をパスポートなしで訪れたことになる。
・全身を鎧で固めた騎士は、王のそばを通るとき、自分の顔がよく見えるように、兜の目庇を片手で上げた。この動作が転じて、上司への敬礼となった。
・アメリカ軍は、対空砲火の攻撃を受けなかった箇所を強化した。無事帰還した機体には被害がないか、致命傷とならない程度の損傷が見られる。いっぽう、撃墜されて帰還を果たせなかった機体は、致命傷を受けたと思われる。ここから「撃墜機は、帰還機が攻撃されなかった箇所を攻撃された」という結論が導き出された。それらの箇所を補強した結果、アメリカ軍爆撃機の撃墜数は大幅に減った。
・中国には、寒い夜の湯たんぽ代わりにブタを寝床に入れる風習があった。その際、触り心地をよくするために毛を剃ったのだ。
・当たり前だと思っていることでも、実際に質問してみると意外な答えが返ってくることもあります。
ポールスローンの札束を焼く強盗―水平思考推理ゲーム (ウミガメのスープ (3))
- 作者: ポール・スローン
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2006/03/11
- メディア: 単行本
・月に降り立って月面を歩いた人間は、12人だけである。
・南北戦争のあいだ、大砲を連続して撃つと雨が降り出すということがよくあった。調べてみると、雲に向かって大砲を撃てば雲に保持された水分が雨になって降ってくる、ということがわかったのだ。
・キリンの平均血圧は人間の3倍である。そのぐらい血圧が高くないと頭まで血が回らない。あれほど首が長いんだから。
・スペースシャトルが離陸するとき、排気炎はかなりの長時間地面に届いている。排気炎でつながっていると、シャトルから地面まで電気が通りやすい状態になる。このため、シャトルは離陸時に落雷を受けやすいので。
・ラパスは世界で一番高いところにある首都で、標高は3300~4100メートルである。高度が高くて酸素が薄いためにものは燃えにくく、だから火事も起こりにくい。
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