SSブログ

『ひとりの品格』 [☆☆]

・人間生まれるときも一人なら、死ぬときも一人、ならば生きているときも一人で自由に強く生きたいものだ。

・「長生きがいいことだ」と信じ、そうなるよう努力してきたのに、それが実現したら、孤独死がどうの、無縁社会がどうのと、負の側面ばかりを取り上げる。

・孤独な人は、結局、自らにも、人にも、社会にも否定的なため、友人ができず、自らますます孤独に陥っていく。

・人にも社会にも肯定的な人は、友人や恋人にも恵まれ、孤独感に悩まされることも少ない。

・孤独感の高い男性は、女性に対して好意的でない。

・孤独感の高い女性は、男性に対して敬意を抱かない。

・孤立を避けるには、社会とのつながりを遮断してはいけない。そのためには何が必要か。自分勝手でもいいから、人々の中に入っていくことである。他人から嫌われたり、疎まれたりすることもあるだろうが、それも人との一つのつながり方だ。

・「メランコリー親和型」というのがある。見た目は明るかったり、活発だったりするが、その心の中では「……してはいけない」という否定的な考えに固まっている。したがってストレスがたまり、心が破綻しやすいのだ。

・どんな考え方をしたって、時間は同じように過ぎ去っていく。だったら、暗い気持ちで過ごすより、楽しい気持ちで過ごすほうが心地よいに決まっている。

・人間の罪悪や苦悩なんて、自分で創造したり、発明したりするものは一つだってない。ことごとく先人の真似、先人から受け継いだものだ。

・比べていいことと、悪いことがある。「自分にないもの」をむやみにうらやましがったり、欲しがったりするのは、悪い比べ方なのだ。

・結婚したいと思いながら、いつまでたっても相手を見つけられないタイプには、「他人に与える」という発想に乏しい人が多い。そういう人に限って、たまに自分から行動すると性急に反対給付を求め、相手がそうしないとなじったりする。

・一人で生きるには、品格というものが大切だ。そうでないと、まともな人から相手にされない。

・品格とは一言でいえば、その人の「素の値打ち」のことである。

・私たちは長い間、大地(土壌)が植物を育むものと思ってきた。だが、水耕栽培が一万二千個のトマトを実らせるということは、土壌は植物を育むよりも、むしろ阻害要因になっている、ということだった。

・体が病だからといって、心まで病にすることはない。体の調子が悪くても、気分はどうかと聞かれたら、「ハイ爽快です」とにっこり笑って答えよ。

・高齢者もよくない、一つの知恵なのだろうが、必要以上に甘えようとする。老人ホームで行われていることと、幼稚園や保育園で行われていることが、よく似ているのは何とかならないものか。

・高齢者がだましやすいとなれば、ターゲットにされるのは当たり前。

・いま高齢者に足りないのは、「だまされて恥ずかしい」という気持ちである。ものを知らない子供が大人にだまされるのは仕方がない。だが、長年、人生を生き抜いてきた高齢者が、いとも簡単にだまされてしまうのは、恥ずかしい限りではないか。

・その年齢の知恵を持たない者は、その年齢のすべての困苦をもつ。

・何も考えないで、いまできること、しなければならないこと、したほうがよいことを片っ端から片づけていく。人間は行動を始めると、リズムが出てきて、次から次へと行動できるようになる。

・行動というものは、つねに判断の停止と批判の中止とによって、初めて可能になる。もし資料が十分に出そろってから行動に移るべきだとしたら、私たちは永遠に行動できぬであろう。

・一人暮らしでペットを飼う人が増えているが、自分が高齢なのに生まれたばかりの子犬や小猫を飼うのはどうかと思う。自分が死んだとき、残されたペットはどうなるのか。



ひとりの品格

ひとりの品格

  • 作者: 川北 義則
  • 出版社/メーカー: 青萠堂
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本



タグ:川北義則
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0