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『宇宙で暮らす』 [☆☆]

・探求心が旺盛な社員が評価される。探求心が不要な作業は、コンピュータやロボットによって行われることになる。探求心のない社員は不要となる。

・「神様」の概念は、「真理の探究」本能からつくり出された概念、あるいは答えのようなものである。

・その時代では理解できない現象はすべて「神の仕業」という答えを見つけることで満足してきた。

・現象には必ず原因があるという、探求本能を満足させた答えとして、「神様」が発明されたのである。

・人間は危険をともなう活動を必要とし、いつも筋肉より脳を使いたがる。そして何か新しいものを表現したり、解決可能な、あるいは解決可能ではない違った何かに挑戦することで、自らの知力を高めたがる。狩猟という仕事には、これらすべてが含まれている。農業はその逆で、すべてを含んでいない。

・ニコチンは、酸素よりも赤血球に対し、より強い結合性を示す。そのため酸素よりも多く体内に供給されることから、喫煙者は徐々に低酸素症の軽い症状や、二酸化炭素がアンバランスな常態となり、脳と体が徐々に蝕まれていく。

・内燃機関のエンジン排気ガス以外に、地球上で最も一般的な一酸化炭素のもとになるものは、3パーセントの一酸化炭素を含んでいるタバコである。毎日一箱を吸う喫煙者は、一酸化炭素を血液中に4~8パーセント浸透させている。この量は、致死量のほぼ半分になる。

・温度は熱と同じではない。温度は、分子の動きの速度として考えられる。分子がより速く動くと温度が高くなる。温度は暑さの程度を示す尺度である。一方、熱はある物質における熱エネルギーの量を示す一般用語である。

・赤外線は、熱を伝えるための媒介となる中間物を必要としない。

・人体の表面では、熱エネルギーは赤外線によって放射され、光の速度で体から飛び出していく。この赤外線放射が他の物体に達したとき、熱エネルギーに変換される。つまり、他の物体が暖かくなる。隣に人が立っていると何となく暖かく感じるのも、赤外線のためである。

・労働しているときには、45パーセントは通常の熱放出手段によって熱が失われ、44パーセントは汗の蒸発によって熱が放出される。残りの11パーセントは、実際の肉体的運動エネルギーに消費される。これらの計算によってわかることは、人間の体は、自動車のエンジンにたとえるならば、11パーセントの効率でガソリンを燃焼するガソリンエンジンといえる。燃焼効率という点では、人体は大変効率の悪いエンジンである。

・人間はどこに行こうとも、環境に左右されるのではなく、快適な環境を取得する方法を学習した。服を着ることは、人間の偉大な発明の一つであり、いまだに継続して発明しつづけられている。

・血中カルシウムレベルが100ミリリットルあたり12ミリグラムを超えると、混乱、精神錯乱、精神障害、知覚麻痺などの深刻な状況となり、昏睡状態になることもありうる。

・テレビのブラウン管は、低レベルのエックス線、あるいは「やわらかい」エックス線を発生する。しかしこれらは、ブラウン管の画面のガラスに含まれる鉛によって遮断されている。

・人間が紫外線を見ることができるという事実は、第二次世界大戦までわからなかった。英国の研究によると、何人かの航空機パイロットは、紫外線を見ることができたという結果を報告している。紫外線が見える人間は、金髪で青い目をしたチュートン人(ゲルマン人の一部族)。

・ひとたび誤解され、人々の中に不安が根付いてしまうと、科学的な実験が行われ、多くのデータと真相が明らかにされても、誤解を取り除くのは至難の業である。

・数字で表すことができないときは、知識が不十分で不満足なものである。

・国防省原子力局によると、いくつかの手段によって、人間に放射線への許容度を持たせることは可能であるということである。事前の予防策は、緑色野菜に豊富な栄養分の摂取と、たくさんのビタミンA(レチノール)とビタミンE(トコフェロール)の摂取ではじまる。両方とも緑色野菜に含まれる脂溶性(油脂に溶解する)抗酸化物質である。両方一緒に摂取することで、電離放射線による細胞内の影響を30パーセント減少することができる。

・多くの機械は、製造の容易さに加え、伝統を基本として設計された。なぜ、自動車のエンジンは前方にあるのか。その答えは、馬車では馬が前から荷車を引いていたためである。

・服を洗濯していたのは、熱帯地方や亜熱帯地方でだけだった。ほとんどのヨーロッパ人は、東洋人や熱帯地方の人々から、個人や公衆の衛生を普及させるために、服や体を洗う文化を学んだ。

・最近の研究によると、コンピュータに備わっている内部時計と同じように、人間の体の中には、地球の地場である8.73ヘルツの周波数によって作動している生物時計と呼べる、基本的な体内時計が存在するといわれている。

・地球の地場は人間の神経パルス(神経伝達刺激)より9桁も強力であるために、人間の神経システムがシューマン共振を感知してしまうことを発見した。

・宇宙の日常生活は、8-8-8システムで行われる。つまり、8時間の作業時間、8時間の自由時間、8時間の睡眠時間である。特殊な状況に対応するために12-4-8システムを採用するが、緊張をほぐすための自由時間は、けっして4時間以下にすることはない。さらに、緊急の事態が生じた場合でも自由時間は減らさず、8時間の睡眠時間を削る。

・1日3食の食習慣は、歴史的に見ても最近はじまった習慣であり、世界中どこでも1日3食の食事を行っているわけではない。

・ルイ14世の宮廷にはあまりにも多くの人が仕えていたため、宮廷のキッチンは、廷臣たちがお腹が空いたときにいつでも食べられるように、食事をつくりつづけることができなかった。そのために、食事を3回に分けて料理する必要があった。キッチンの都合が、1日3食にする唯一の理由だったのである。

・競技というものは、複数の人間が、ある設定された基準に沿って比較できる、すべての分野で生まれる。人間は、競争を好む生物種である。

・人は、他人との相互間系を持つ場合はいつでも、「この人には戦うほどの価値はなく、今日は私はあなたを殺しません」ということを、無意識的に自分自身に話しかけている。

・1849年、フットボール選手の洗濯物はサンフランシスコからハワイに帆船で輸送され、ハワイで洗濯した後に再びサンフランシスコに運び戻されていた。当時はサンフランシスコには十分な給水排水設備がなく、人々は満足に洗濯することもできなかった。

・地上における作業やあらゆる産業界では、ある程度の傷害や、さらに死亡の可能性をも見込んだ中、すべてのことが行われている。

・椅子は、重力が存在する環境のみにおいて利用価値がある人工物のため、宇宙では存在しない。

・初期宇宙法の最大の問題点は、法律家が技術を予測しようと試みたことである。法律家は、彼らが考える技術予想に基づいて、宇宙法の基本を確立してしまった。この技術的予想の大部分は間違いだらけで、しかも不完全であった。そして現代のような商業宇宙時代には、まったく起こりえないような技術ばかりを想定していた。

・文化とは、ある場所に住む人間が、さまざまなことを学習した結果として蓄積される、その人間の行動すべての「合計」であるといえる。



宇宙で暮らす!

宇宙で暮らす!

  • 作者: G・ハリー・スタイン
  • 出版社/メーカー: 築地書館
  • 発売日: 2011/02/01
  • メディア: 単行本



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