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『「科学的」って何だ!』 [☆☆]

・科学は「わかる、わからない」、世間は「納得する、納得しない」。

・基本的には、人間が関わるところでの議論はみんな「納得する」の世界のことと思っていい。宗教や哲学、政治、経済など、人文科学や社会科学の議論も、つきつめて考えれば結局「納得するかしないか」の話なんです。

・わかっている世界とわかっていない世界の境界が、そのプロには明快にわかります。だってその境界のところを毎日毎日考えているのがプロなんですから。

・現生人類は、「時空」という概念を持った。すると、「今」があれば「その前」と「その後」があると考える。「ここではない場所」があると考えるようになる。というわけで、「あの世」という概念も持つようになる。

・物理学では、粒子に二通りあることがわかっています。質量を持ち、粒子としての実態のある粒子と、関係性を生み出す粒子と。関係性を生み出す粒子というのは質量がない。たとえば光の粒子。光の粒子が介在して電磁気的な力が生じている、と理解されている。

・「疑い」をなくした日本は、精神的には中世レベル。

・楽しさを教えられる人が少ない。楽しい思いをさせる、というのをはき違えてる。

・感情の濃淡が、いまは少なくなっているんじゃないですかね。みんないつも、淡々としていて、興奮もしないし頑張りもしないし、苦しみもない。

・ヨガや瞑想は、「現世でのやる気」を奪う格差社会のシステム。

・どんな階層の人でも、特に下のほうの人たちにとってはそうでしょうけど、「今の運命をあるがままに受け入れて、むしろ人間とは何かを一生考え続ける」というのが平安なわけです。

・子供を頑張らせないいちばんの方法は、どんどん与えてしまうことですよね。子供だって、生まれたときからどんどん先回りして与えられちゃうから、本当にほしがるということができなくなっちゃう。その結果、最終的には生きていることの意味がわからなくなる。

・なんで日本はこんなに「危険、注意」の看板が多いんだろうと思いますね。それは結局、自分に責任を負わされたくない人があまりにも先回りして何でもやっちゃうからでしょうね。

・制度をころころ変えるより、それに関わる人たちの質を良くして、もうちょっと地に足をつけてやってもらいたいですよね。

・われわれ人間圏はどこへ行くのか。それは、結局はどこへ行きたいのか、というわれわれの意見が問われていることなんです。

・貨幣の共同幻想性なんて誰に説明してもわかるでしょう。交換可能というのは、ものが豊富だから成立していることなんですから。



「科学的」って何だ! (ちくまプリマー新書)

「科学的」って何だ! (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 松井 孝典
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 新書



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