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『死都日本』 [☆☆]

・ポンペイでは資産階層の死者が目立ちます。このことを旧約聖書風に解説すれば、ポンペイでは「後ろを顧みた」資産家が財産に固執して逃げ遅れたケースが多い、と考えられています。

・巨大噴火とか大地震とかいった現象は、21世紀の現在でも神の領域なのです。

・普通の宮崎人は「宮崎県の大半が焼き尽くされる」という事実だけで思考が飽和してしまい、大阪辺りのことまで考えるゆとりを無くしてしまう。

・踊狂(ようきょう)現象、もしくは大衆乱舞現象。言葉の通り集団で踊り狂う現象である。全国同時多発的に何十万人、何百万人が踊り狂い、伊勢参りをするという日本独特の怪奇現象で、古くは飛鳥時代からそれらしい記述がある。

・踊狂現象の後には奇妙なほど地学的な大事件、それも世界最大規模の地学イベントが発生するのである。

・地震や富士火山噴火といった大地変を予言するように踊狂現象を起こすのが、日本人という民族の不思議さである。世界有数の天災国で生活するうちに、地震前に騒ぐ犬のような能力が育ったのであろうか?

・もともと火山噴火予知連は鵺のような組織で、25人の会員が集まると実体化するが、普段は正体がない火山好きの同好会のようなものである。

・最善を求めて手遅れになるよりも、次善で良いから今出来る事をしろ!

・1783年に始まり、東北地方で百万人以上の餓死者を出した天明の大飢饉は、しばしば誤って同年8月4日の浅間山噴火が原因と書かれているが、実は7月末の時点で稲が開花せず、浅間山噴火の前に凶作となる事が分かっていた。本当の原因は、6月8日に始まったアイスランドのラキ火山噴火による冷害だったのである。

・大部分の警報区域内住民は、どんどん暗くなってくる空を不安げに見上げながらも、避難するどころかテレビの前から離れられなくなってしまったのである。

・誰が言った言葉かは忘れたが、兵器はその使用者以上には善良になれない。

・最新のステルス艦載機は滑空に適した形状をしていない。

・人間は情報を入手できてこそ社会集団を作れる。特にこういう非常時は、情報が途絶えると僅かな流言飛語がパニックの原因になり、暴徒化しかねない。

・日本人が「神の怒り」などという言葉を忘れてから久しい。巷には怪しげな神様達とその信徒が満ちていた。

・食糧は10パーセント不足すると2倍、20パーセント不足すると3倍の価格になると言われる。1973年に日本で大豆が10パーセント不足した時は2.5倍に跳ね上がった。

・救援と称して中国軍が百万人くらい援助物資と共に乗り込んで秩序の回復に当たれば、事実上占領が完了します。飢えた日本人が、餌をくれる国に忠実なのは太平洋戦争で実証済みです。

・歴史上、地震で滅亡した国家はないのですじゃ。それに対して、火山噴火で滅亡した国家や政府はかなりの数に上るんですわい。地震と違い影響が長く続くからでしょうな。

・人間には平時に如才なく活躍するタイプと、非常時に突然光り出すタイプがいる。

・優秀な部下を見極めて、自由に腕をふるわせてこそ優れた司令官というものじゃ。

・訊く必要は無いかと思います。下手に訊いて、「駄目」と正式な返答が返って来ると困られるでしょう?

・投機経済は、数式がどうのと申しましても所詮は過去の変動パターンをベースにしていますから、未曾有の局面では多分に気分に支配されます。

・仕組みはよく分かりませんが、富士山の過去の噴火歴を調べますと、奇数回目の東海地震で活動期に入り、偶数回目で活動を停止します。どうも、東海地震は富士山の活動スイッチになっているようなのです。すると、現在は休止期ですから、次の東海地震で活動を再開する可能性が高いわけです。

・昔から我が国は愛国者を自称する人達の活動が盛んな国でしたが、その大半が政治的愛国者であり、日本の国土・自然を愛する意味での愛国者でなかった。



死都日本

死都日本

  • 作者: 石黒 耀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本



タグ:石黒耀
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