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『素粒子はおもしろい』 [☆☆]

・相対性理論自体は高校レベルの数学しか使っていませんから、むずかしくはありません。

・子ヒツジの肉料理はくさみが強いので、両側から牛肉ではさんで焼きます。焼きあがってから牛肉をとると、くさみがとれ、おいしく食べられるのです。

・光にも電子にも寿命はありません。寿命というのは、粒子が崩壊するまでの時間の長さということですから、崩壊する先がない光や電子に寿命はないのです。

・崩壊するというのは、粒子がより低いレベルにこわれることで、たとえば電荷をもっている粒子が崩壊すると、電荷が最低の状態になれば安定します。

・ほとんどの素粒子はすぐに崩壊します。比較的安定な中性子ですら、10分ほどで崩壊してしまいます。

・電場や地場が1のベクトルであるように、1/2のスピンをもちうるという抽象的な理解をしたのです。電子の点がグルグルまわっているわけではなく、空間がそういう存在を許していると考えるわけです。

・重力があると、私たちの空間はゆがむ。そのゆがみが波となって伝わっていった結果として、質量と質量のあいだに力がはたらいたように見えるということです。

・昔は、出席率のいい学生はかならず成績がよく、出席していなくても成績のいい学生がいました。ところが、いまはちがいます。出席率が悪い学生は確実に成績も悪く、出席していても成績がいいとはかぎらなくなっています。みんなと同じ行動をとっていないと不安なので、講義には出るけれども、成績が悪い学生が目立っています。

・古本屋めぐりをして古本を買ってくるのですが、日本の学問の導入期にあたる昭和初期の本が並んでいました。そのころの本には、この学問がどうして必要なのか、どういう意味をもっているのかといったイントロダクションがきちんと書いてあります。だから、学問の出発点や目的がよくわかるのです。

・かつて自分がしたこと、言ったことを忘れて、無意識のうちに平和主義になっていた。

・問題は、研究者のデンシティー(密度)です。自分一人だと議論できないので、思考がなかなかすすまないのです。

・核融合の場合、フリーの中性子は水素原子みたいなものなので、装置から逃げだして空気中をただよいます。そうやってただようと、8分ほどで崩壊し、「スカイシャイン」と呼ばれる放射線(β線)が降ってきます。

・原発を止めろとかんたんに言う人がいますが、1000年単位で考えると、石油や石炭がなくなるわけですから、その後どうするかを考えなくてはなりません。

・ヘーゲルは「自由とは必然性の洞察である」と言っています。

・「ここに、レバーが二つあるとします。どちらかを引けば、100万円が出てきます。出てきたら、あなたにさしあげます。反対側を引いたら、青酸ガスが出て、あなたは確実に死にます。さあ、どうぞ。どちらでも、ご自由にお引きください」 そう言われたときに、あなたに自由はありますか。これは、自由ではありません。ただ偶然性に身をまかせているだけの話です。そうではなくて、こちらを引けばこうなる、あちらを引けばああなる、とわかったうえで選択するのがほんとうの自由なのだ、とヘーゲルは言っているのです。だから、自由とは必然性の洞察なのです。そうすればどうなるということがわかったうえで行動するのが自由なのだ、ということを言っているわけです。



素粒子はおもしろい (岩波ジュニア新書)

素粒子はおもしろい (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 益川 敏英
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/11/19
  • メディア: 新書



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