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『日本再起動 未来を託された世代が今やるべきこと』 [☆☆]

・「個人のものも国のもの」という社会主義的な思想が常識となれば、海外へ永住する富裕層や起業家の傾向が高まり、日本国内に留まるのは結果平等に満足する人たちだけになってしまいます。

・多くの日本人は「安心、安全」と思っているのではないかということが問題です。つまり、安全だから安心するのは正しいですが、安心は必ずしも安全ではないということです。

・かつて日本政府は極端な財政状態を解消する際に強制措置を取った前例があります。1946年の新円切替の際に実施した預金封鎖です。平たくいうと、「国民の現金の価値を著しく下げる」ということで、カネをブツに変えることを知らない国民の資産の破壊です。

・維持とは将来を確定すること。このように明日が今日と同じである「安全安心」を重視する日本人が圧倒的に多いです。

・成長とは不確定な将来にチャレンジし、今日より明日が良くなることを目指す精神。現在に至るまでの秩序を壊して再構築することが成長なので、維持することだけにしがみつくと、成長性まで縛られてしまいます。

・先に控える選挙の対策ばかりに追われて権力の維持しか眼中になければ、今日より明日が良くなるという成長性がある社会の青写真を描けるわけがありません。

・成長のために必要なのは、明日ではなく今日決断する意志です。明日に延期するのではなく、今日やってみるという実行力です。

・強者が弱体化すれば全体が弱体化します。強者を強化することで弱者も強化される構図を描くことが不可欠です。

・現状と比べてより速く、より正確に、より強く。このように格差を広げることがイノベーションです。

・格差を広げて縮めることは社会が呼吸していることと同じです。呼吸していない社会は死に至ります。

・ノブレス・オブリジュは、格差から生まれた、格差を縮める義務である。

・独裁者は現状の秩序に背く民衆の行為をRebellion「反乱」と呼びますが、民衆はRevolution「革命」打だと叫ぶでしょう。視点を変えると、同じ事実でも名称が変わるのです。

・仕事というベールの下には、何をやって良いのか、悪いのかという本質があります。それは、ほとんどの場合、幼稚園で教わるべきことです。

・ハードパワーは、軍事、経済、政治などの手段を通じて相手を支配する力ですが、一方、ソフトパワーは自ら持っている魅力により、相手を引き寄せる力です。

・「ロバだと思ってロバの仕事をする」と失敗する可能性が高まるが、「ライオンの心構えでロバの仕事をする」という姿勢で任務につかれた彼らには感服します。

・次世代のために意図的に「遺したい」と思う、高い志を掲げる現役や高齢の層の現在における行動が必要なのです。「明日が今日より良くなってほしい」という未来指向が、「明日は今日と同じで良い」という現状維持に負けてはならないのです。

・「最小不幸社会」という国家ビジョンはどうしても腑に落ちません。現在の豊かな日本における不幸は、世界の不幸の水準に比べればたかが知れています。すでに生活水準が高いベースである日本においては、不幸を最小化することより幸福を最大化する姿勢のほうがさらに良い社会を目指せるのではないでしょうか。

・「弱者」であるから不幸と決め付ける偏見の背景には、実は救済者を装う少数勢力の権力保持の欲の影が潜んでいることを忘れてはなりません。

・一つの身体であるはずなのに、納税者と有権者がバラバラの意識であれば、民主主義が社会システムとして有効に機能することに無理があります。市民一人ひとりが納税者と有権者として、善意を持って行動しなければ、社会から富が公正に徴収されて、公正に再分配されるということはあり得ないでしょう。

・民主主義は公平感をうたうが所詮「現在の世代の声しか反映できず、今はまだ生まれていない将来の世代は票を投じることができない」。

・中央政府に再分配の権力が集中することは、貧しい国の高度成長期には効率的な体制でしたが、画一的な価値観に偏ってしまうため、現在の地域社会の多様性に十分に応えることができず限界が生じます。

・有益性の判断を下すべき直面で、「考えてみる」、「検討する」という一声で、時間がズルズルと消耗される傾向が日本人の日常生活でも国家レベルでも目立ちます。

・大きな判断ではなく、小さくてもよいから、多くが同じ方向へ動くことに有効性がある。

・しかし、「あいまい」なことは日本人の誇るべき特徴であり、「あいまい」と「いいかげん」は違うということに自信を持つべきでしょう。

・資本主義経済が「地球環境保全」と相容れないのは、資本主義経済が拡大・増大を前提にしているからだと思います。

・日本ではこのような背番号に対するアレルギー反応が強くなかなか実施には至らない制度です。戸籍や住民票制度が常識とされる監視社会なのに、この番号制に対するアレルギー反応は理解しかねます。もう、これ以上は監視しないでくれという国民の怒りなのでしょうか。

・日本の子供手当ては、今の結果(消費、あるいは票)につながることを期待し、将来にツケ(公的負債)を回しているのです。

・「理解しても良いけど」理解できないであれば、とことんお付き合いしてご説明したいと思いましたが、理解できないのではなく、「理解したくない」というスタンスを文脈から感じました。



日本再起動

日本再起動

  • 作者: 渋澤 健
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/08/04
  • メディア: 単行本



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