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『くらやみの速さはどれくらい』 [☆☆]

・私の人生で私が大切だと思うものはすべて、自分の考えていることを口に出さず、ひとが私に言わせたいことを言うという犠牲のもとにかちとられたものだ。

・ぼくの両親は、ひとのことを怒っても、それでそのひとたちの態度がよくなるわけではないと言っていました。

・私はこのレッテルを憎む。べたべたした感じがする、私が引き剥がせない専門家の糊で私に貼りつけられたレッテル。

・私は怒っているときでも怒っているしぐさを見せてはならないと教えられている。

・いやなにおいをさせないようにするのは大切なことだ。いやなにおいをさせているひとは、ほかのひとを怒らせたり怖がらせたりする。

・のびたヌードルでも私は平気だ。やわらかで心地よい。

・好きにもいろいろある。私は食べ物としてハムが好きだ。ハムを噛んだときハムがなにを考えるかということは気にしない。ハムは考えないということは知っているので、それを噛んでも私は平気だ。

・私は自分がなにも感じないときでもそういうしきたりの言葉は言うように教わってきた。なぜなら、そうやってまわりに適合し、うまくやっていくことを学ぶのである。

・限界を見て可能性を見ないことにしたんだね。

・悪い親は子供に辛い思いをさせるようなことをして、それを子供のためだと言う。成長することも生きることもすでにじゅうぶん厳しい。子供にとってものごとがこれ以上厳しくなる必要はない。

・それが起こったのは、偶発事故である。神は事故を防いではくれなかったが、それを起こしたわけでもないのである。

・一回目は事故、二度目は偶然、三度目は敵対行為。だからたまたまあんたが標的になったことが、三度起こったら、それはだれかがあんたを狙っていると考えていい。

・やつは権力亡者のくそ野郎だ。ああいう手合いは、自分は善人面したがって、ほかの人間を悪人に仕立てるもんなんだ。

・だがなかには考えの浅いひともいる、そういう連中は、自分たちの人生でうまくいかないことはなんでもひとのせいにする。

・彼は落ちこぼれを自任し、その責任をなすりつける人間を探しているんですよ。

・その子供はその行為そのものを楽しんでやっているのであって……それが大人にあたえる影響については忘れている。

・社会的に主流からはずれている人間は、ひとがなにか恐ろしいことを企んでいるのではないかと考えたがる傾向がつねにある。

・自閉症者は、このような抽象的哲学的な疑問について考えすぎる傾向がある、精神病者もおうおうにしてほぼ同じような疑問をもつ。

・衣服のほかはなにも持たずに逃げる難民でさえ、記憶を持っていくことは禁じられていない。

・私はこれまで、変えることを望みながら、同時に変わる前の自分に満足しているということは不可能だということを考えたことがなかった。

・変化を恐れれば、それはおまえを破滅させる、変化を受容すれば、それはおまえを大きくする。



くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)

くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)

  • 作者: エリザベス ムーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 単行本



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