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『iCloudとクラウドメディアの夜明け』 [☆]

・テレビではこれまで毎時0分に正確な時刻を放送してきたが、デジタル化以降、時報を見聞きしなくなった。これは、信号の伝達時に遅延が発生する(それも受信機によって遅れ方が異なる)ため、正確なタイミングで時刻を伝えられなくなったからだ。

・デジタル配信世代でアップルに敗退したソニーには「守らなければいけない今」がない。

・ソニーはグループ企業に音楽レーベルを持っていたこともあり、音楽流通利権を持つ「体制側」として、革新派や若年層の利用者に嫌われてしまった。そう、もう「ぼくらのソニー」ではなく、「あちら側のソニー」だと判断されてしまったのである。

・iPodはウォークマンに代表される携帯型音楽プレイヤーをパソコンとの接続に対応したものというよりも、パソコンで楽しむ新しいスタイルの音楽体験を音楽再生部分だけに特化して切り出した音楽再生専用コンピュータと表現するほうが、iPodが持つコンセプトの本質をよく表している。

・映画は、プレミアム性の高いエンターテインメントだ。映画館の大画面とより良い音響設備で、自宅では楽しむことができない特別な時間を体験する。

・米国では、低価格で大量のコンテンツが見放題になることで、視聴者の映像作品を見る総時間は増えているが、映像コンテンツを巡るエコシステム全体が金額ベースで縮小している。

・キンドルは、アマゾンの加入者IDと、どの電子書籍を購入したかという購入履歴を組み合わせ、一度購入した書籍ならば、キンドルの閲覧プログラムを通じて、どんな装置からでも、その内容を読めるようにしている。

・これまでは情報を搬送するために物理メディアが使われていたため、消費者はコンテンツを記録した物理メディアを所有することに価値観を感じてきたわけだが、これからは違う。

・クラウドメディア化されたデジタルデバイスは、通信を通じてその価値を活用するため、利用者の視点から見ると端末自体の機能が向上していくように見える。



iCloudとクラウドメディアの夜明け (ソフトバンク新書)

iCloudとクラウドメディアの夜明け (ソフトバンク新書)

  • 作者: 本田 雅一
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2011/08/19
  • メディア: 新書



タグ:本田雅一
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