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『なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想』 [☆☆]

・経営者や教授たちが単純な答えを求め、どこから見てもばかげているのに疑問も持たず、自分の頭で考えることもせずに、手軽な解決策をありがたがる姿だった。

・まともなアメリカ人の大人が外国を旅行して(一年未満)学ぶことのできる知識は、サンディエゴの公立図書館へ行けば、どんなこともより速く、より安く、より簡単に学べる。

・中身がないほど難しそうな言葉で自分の知識を飾りたてようとする。

・企業が最も業績を伸ばすのは顧客層の明確な数種の製品に的をしぼったときが多い。

・改革ではなく進歩すること。

・当初はしごく当然の戦略に思えた。考えが浅かった、判断を誤ったといわれだしたのは結果が見えてからのことである。あとからなら、なんとでもいえる。

・人間はものごとを合理的に説明できるほど合理的にできていない。だから私たちは理由をほしがる。世の中のあらゆることがなぜそうなるのかを知りたがる。

・レポートとは、何よりも事実を伝えることであり、作意や解釈が紛れこんでいてはならない。

・ストーリーは人々が自分の生活や経験の意味を理解するための手段だ。よいストーリーの条件は、事実に忠実であることではない。それよりも、ものごとが納得いくように説明されていることが重要なのである。

・シスコの仕事はインターネット業界での砂金探しではなく、砂金探しに必要なスコップやつるはしを買おうと長い列をつくっている鉱夫にそれらを売ることなのである。

・2000年から2001年のあいだにシスコが変わったとは誰も指摘していないのだ。たんにシスコは以前と違うレンズを通して見られるようになっただけなのである──業績悪化というレンズを通して。

・ジャーナリズムは最初に書かれた歴史だ。新聞や雑誌の記事はのちの研究の資料になる。

・成功すると「自分のことが書かれた記事を読んでそのつもりになり、うぬぼれから抜けだせなくなる」経営者もいる。

・リーダーへの評価は会社の業績から判断されていたのである。勝者は常に自信に満ち、敗者は常に傲慢なのだ。

・私たちはどうしても企業の成功を特定の人物に結びつけたくなる。そもそも私たちがストーリーを好むのは、それが事実をただ断片的に報告するのではなく、因果関係を明確にして、手柄も失敗も一人の人間に帰するからなのだ。人物を中心とした物語はとくに好まれる。うまくいっているときは褒めそやす英雄が、うまくいかないときは罪を着せる悪役がつくりだされる。ストーリーは、善悪をはっきりさせ、道義的責任の所在を明確にする手段になるのである。

・レディと花売り娘の違いは、どうふるまうかではなく、どう扱われるかなのです。

・経営者も記者も大学教授もコンサルタントも含めて、私たちが企業パフォーマンスを決定する要因だと思っている多くの事柄は、業績を知ってそこに理由を帰した特徴にすぎないのである。

・明らかな相関関係があったかもしれないが、因果関係があったかどうかはわからない。

・成功したのはそもそも八つの原則のおかげではなかった。八つの原則は成功企業の特徴を表わしたものというだけで、実際に成功に導いたものは別のところにあったのだ。

・たとえば、高血圧の原因を探るとしよう。このとき高血圧の患者だけを検査しても原因はわからない。血圧の高くない人の検査結果と比較して、初めて原因がわかるのである。同じことが企業にもあてはまる。業績のよい企業だけを調査しても、そうでない企業との違いがわかるわけがない。

・歴史の長い企業が最高の業績をあげる企業というわけではない。

・絶対的な業績という妄想が非常に危険なのは、単純な公式に従うだけで、ライバル企業の行動に関係なく業績を向上させられると思いこむことになるからである。

・よいストーリーの条件は、そこから私たちが貴重な洞察を得られるかどうかにある。少なくとも、たいていの場合に役立つ行動を促してくれればいい。

・ビジネスの成功とはただ業績をあげることなのではなく、競合企業を凌ぐことだ。業績が絶対的なものだと考えていると、ライバルの存在が見えなくなり、業界での生き残りや競合相手との勝負など、重要な局面で負うべきリスクを避けることになるだろう。

・はじき出されたのはマネジメントに失敗したせいではない──問題はそれよりもっとたちが悪い。ずっと正しいことをしてきたせいなのだ。顧客のニーズを読み、成功の見込みの大きい新製品の開発に投資した。それゆえに、新しいテクノロジーの攻勢に勝てなくなってしまったのである。

・実行を声高々と説くのは、戦略の根本的な問題にとり組むよりもずっとやさしいに決まっている。向かっている方向は正しく、ただ速度を少し速める必要があるだけだと主張するのは簡単だ。方向が間違っていると認めれば、方向修正が必要になってはるかに骨が折れる。

・ビジネス界でも政界でも、私は確実だといえるものなど何もないという考えを信念にしてやってきた。このような考え方をすれば、おのずと蓋然的な意思決定をするようになる。

・成功とは、手に入れられるあらゆる情報を勘案して何通りもの結果が生じる可能性とそれぞれの損得を割りだそうとすることで得られる。ウォールストリート時代の私の活動は、日々の蓋然的意思決定にもとづいていた。

・経営幹部の最も重要な役割は、社員が市場での勝利を目ざして夢中で仕事にとり組める環境を作ることだ。恐怖心はその情熱を生みだし、維持するのに大きな役割を果たしている。競争の恐怖、倒産の恐怖、間違っているのではないか、すべてを失うのではないかという恐怖が強力なモチベーションになる。

・1990年代にインテルが好調の波に乗っていたときでさえ、グローヴは成功を当然のものとは考えず、いつ失敗しても不思議はないというハンガリー難民ゆえの危機感を失わなかった。

・成功した企業にはすばらしい文化があるとよくいわれるが、それは社員が勝ち組企業で働くことに満足し、将来に自信を持っているからなのである。

・ロジテックは価格競争には加わらないが、長々と説明を聞かなくても購入を決断できるような手ごろな価格設定を目ざした。

・成功した企業は変化に対する抵抗感が非常に強くなるものなので、あえて変化を促さなくてはならないのです。



なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想

なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想

  • 作者: フィル・ローゼンツワイグ
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2008/05/15
  • メディア: 単行本



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