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『花物語』 [☆☆]

・薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ。

・神も悪魔もおんなじなんだよ――ごちゃごちゃ御託を並べたところで、人間なんて連中のおもちゃだ。

・質問は負け犬のすることだぜ。

・爪が伸びるのを気持ち悪いと感じる人間は生きることには向いていない。そいつは成長を嫌っているからだ。

・成長もあれば変化もある。「変わらない日常」なんてものはないんだよ。あるとすればそれは日常ではない、地獄だ。

・自分の知る範囲だけを世間だと思ってしまうのは、人間の性だ。

・インターネットやら何やらで世界が広がったように思えても、それは深くなるだけで広くなるわけではないということを忘れないと痛い目を見る。

・それは思い出ではあっても、思い入れではない。

・他人の不幸に他人が首を突っ込んだら、事態がややこしくなるだけだろう。本気で他人を救いたいなら、そいつの不幸を全部しょい込むくらいの気概がないとね。

・悩みの正体というのは基本的に「将来に対する不分」だ。「今よりもっと酷いことになるんじゃないか」という予感が、精神のバランスを突き崩す。

・逃げの何が悪い? この世にあるほとんどの問題は、逃げることで解決するじゃないか。逃げて先送りしているうちに、問題は問題じゃなくなってしまう――「今このとき」に解決しようと思うから、人は苦労するんだよ。

・半可通の人間を詐欺に引っ掛けるコツは「質問させること」だ。

・そういう奴は本当に多いんだ。大抵のことは逃げれば解決するのに、逃げたら負けだと思っている奴が――本当に多い。そういう連中は、私なんかから見れば、進んで不幸になろうとしているようにしか見えないよ。

・小学生の子供にとって、「味方のいない学校」ほど恐ろしいものはないとは思わないかな?

・きみは自分のことを努力型だと思っているようだけれど、それは誤解も甚だしいよ。あくまでも眠っていた才能が開花しただけだ――努力なんて言葉はね、不幸な連中に対する気遣いでしかないんだ。

・才能を持つ者は、出る杭は打つという人間社会の伝統行事を、何より恐れなければならない。だって世の中には才能を持たない、不幸な凡人のほうが多いんだから。

・彼女は、自分よりも明らかに不幸で、明らかに不遇な相手に相談したかったんだよ。つまり彼女は悩んでいて、困ってはいたけれど、同情されたくなかったんだよ。

・馬鹿や道化に優しい世界だよ。ルール無用の馬鹿が罪を犯すより、偉大な人間が罪を犯したほうが重大と見做される。

・戦争が大発明をもたらし、大災害が経済効果をもたらす。昔っからそうさ。本当は、善悪という言葉は、そのまま損得と言い換えるべきなんだよ。

・それが他人のものであれば、不幸でさえ欲しがるのが人間というものだ。

・正義の動機っていうのは大抵の場合、悪への嫉妬なんだ。そして悪の動機は、正義への反感だったりする。



花物語 (講談社BOX)

花物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
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