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『鬼物語』 [☆☆]

・言うまでもなく過去の自分なんてのは、ちょっとした他人よりもよっぽど他人であり、自己嫌悪とはまったく違う嫌悪を抱く対象だ。

・お金をくれる仕事相手の言いなりにはなるけど、お上に規制されるのは嫌だって、かなりお寒いですよね。

・僕には法律よりも守らなければならないものがある、そう、たとえば自分の命とか。

・所詮、肝心なところで頼りになるのは自分だけだよ。

・罪を告白することで、相手に「許す」という負担を強いるくらいだったら、僕の胸にしまっておいたほうがいいかもしれない。

・怪異自体が、根本的によくわからないものの象徴だと言われてしまえばそれまでだが……、僕もその通りだと思うのだが、しかし、逆に言えば怪異とは、「よくわからないもの」が、「よくわかる形」で存在しているのではないだろうか?

・断言癖と言ってもいい、はきはきした物言いを売りにしている。

・怪異とは人とは相容れないが。しかし人がいなければ成立しないものでもある。目撃証言、体験談なくして、怪異譚は成立しないのじゃ。

・長生きしとるからって何でも知っとるわけじゃないんじゃ。

・起きたことの理屈を解明しようとせず、奇跡じゃ奇跡じゃと騒ぎ立てる連中は、放っておくのが一番じゃろう。わざわざ教化してやる必要もない。

・ある意味神を軽んじておった理由は、概ねのところ慣れなのじゃろう。

・神に頼らなくてもよいシステムを、自ら考案し、作り出して、実行しておる。そういう者は神を崇めんよ。むしろ対等な存在として見る。

・でもまあ確かに最近見なくなったなあ。人気漫画の最終回。

・野性の勘という言葉があるけれど、しかしその野性の勘って、基本的に弱い動物の持つものなんだろうな……。強い奴っていうのは、案外ごろごろ寝ているだけなのかもしれない。人間が野性を失ったように――。

・むしろ知りたい、どうすれば失敗できるのか。それがわからんと、いざ、万が一、失敗したときに困るからのう。うーん、知りたいもんじゃ、失敗の仕方。

・理解しようとしているのだろう。理解しようとしているから――動けない。

・むしろスカートの揺れ具合、風になびくスカートを見るだけで十分なんだ。スカートに比べれば中身なんておまけだよ。中身が見えたら逆に目を逸らすくらいだ。

・あいつはあれで、身内を暴力的までに信じるところがあるから――その信頼の結果身内が死んでもいいと思うほどにね。

・私はすべてを教えるけれど、しかし、それは思考を放棄していいという意味ではないんだからね。

・誤解を解く努力をしないというのは、嘘をついているのと同じなんだよ。「誰にどう思われてもいい」「誰にどう思われたって構わない」という、一見自由奔放で尊重すべき振る舞いは、「誰だって騙してやる」と言っているのと同じだ。



鬼物語 (講談社BOX)

鬼物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
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