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『傷物語』 [☆☆]

・苦手なのでも嫌いでもない。向こうもそうなのだと思う。ただ、溝ができた。

・次ぎの人生じゃ、絶対にうまくやる。要領のいい、人間関係をうまくかわせて、細かいことでいちいち罪悪感を抱かない、悩むことなく無作為に行動できる、我を通すことに何の疑問も抱かないような、嫌なことは全部他人のせいにできる、そんな人間に生まれ変わってやる。

・高校生になってから人付き合いを避けてきた僕は、会話運びのスキルが異様に低いのである。

・お前は優越感いっぱいで気持ちいいのかもしれないけれど、同情されるこっちはたまったもんじゃない。

・自分を被害者だとか、そんな風に思うなよってことさ。被害者面は――気に入らないぜ。

・相手にチャンスを与えないことが交渉の秘訣だろ。

・俺は弱いものいじめは大嫌いだが――悪い者いじめは大好きなんだ。

・積極的に一般人を巻き込みたいとは思わない。止めようとは思わないけれど、促そうとも思わない。

・この男が鍛えているのは、身体ではなく精神力のほうだろう。メンタルが強過ぎる。この状況で――まるで隙を見せない。

・正義の定義は人それぞれさ。他人を簡単に否定しちゃあいけないよ――きみにとっては悪党だったというだけさ。

・自分に自信を持ち過ぎなのさ――知らない間に足下をすくわれていることなんて、考えもしない。

・僕は天才肌だけど天才じゃないのさ。

・相手のために死ねないのなら、私はその人のことを友達とは呼ばない。

・それはつまり、お前が人を食うことを許容したってことだ。でも、そのせいで人が死ぬところまで、僕は想像していなかった。僕の行為は美しくあっても正しくはなかった。

・今回のことによって生じる不幸をみんなで分散して背負おうって話さ――誰の望みも叶わないけれど、それでもいいんなら、そういう方法はある。

・みんなが不幸になる――みんなで不幸を背負う。分散して。小分けにして――背負う。決して、誰か一人に押しつけることなく。



傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
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