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『トラヴェラー』 [☆☆]

・周囲の人ごみを眺めわたしていた。その顔にかすかな笑みが浮かんだ。おのれの力を確信し、小民(ドローン)たちの無意味な暴力を楽しんでいる。

・人口の99パーセントは、市民(シチズン)か小民(ドローン)のどちらかです。

・市民(シチズン)というのは、自分はこの世界で何が起きているかを知っていると思っている人たちです。

・小民(ドローン)は、生きのびるだけで精いっぱいで、自分たちの暮らしの外で起こっていることに気づかない人たちです。

・チェコの警察は共産主義の時代にその職業倫理を学んだ。しかるべき人間に賄賂を渡しさえすれば、警察のファイルやパスポートまで手に入れられるのだ。

・首と両腕に彫られたおびただしい刺青が見えた。蛇。悪魔。地獄図。裸になった姿を見なくても、何やらの歩く叙事詩であることはわかった。

・何も問題はない。過去は忘れ、先へ進もう。

・人々が新たな問いを発するのをやめ、いまある答えを受け入れてこそ、平和と繁栄は可能になる。

・ハーレクィンは何かの決断を下すとき、このRNG(乱数発生器)を使うことがある。たとえば、奇数はイエス、偶数はノーというぐあいに。ボタンを押し、RNGに従って、どちらのドアから入るかを決めるのだ。

・いつまでもゴキブリみたいなまねはしてられない。だれかが明かりをつけるたびにこそこそ壁に隠れるようなまねは。

・新聞やテレビのアナウンサーはあるレベルでの現実しか伝えない。

・市民(シチズン)たちはテレビに映る顔だけが重要な話題だと思いこもうとする。

・政府から金を隠すような連中は、たいてい別種の犯罪にも関わっている。

・人が困ったことになるのは、たいていセックスかプライドかお金のせい。その三つがいっしょになることもある。

・人間の示す反応には、三種類ある。意図的なもの、本能的なもの、機械的なものだ。意図的というのは、何かをしようと考えて行動すること。本能的というのは、ただの反応。機械的というのは、以前やったことがあるという理由で、習慣から何かをすることだ。

・大勢の人間が、自分は意図的に行動していると思っている。だが実際には機械的に反応しているだけだ。

・宗教や哲学を思いわずらう必要などどこにある? 真実とは力を持つ人間の手で決定されるものだというのに。

・真の自由とは寛容であること。それは人々に新しい生き方、考え方を選ぶ権利を与えるの。

・さまざまな基本法規が多数の言語で書かれてきた。しかし共通する原則は明白です。人は従うすべを学ばねばならない。

・ほとんどの人間は、その時代の大きな事件の陰にある事実を知らずに暮らしている。彼らが舞台の端で演じられる茶番劇を見ているあいだ、カーテンの向こうでは本当のドラマが続けられているのですよ。

・あなたが学校で教わったことの半分は、ていのいいフィクションにすぎない。歴史とは幼稚な者たちにふさわしい人形芝居なのです。

・困難な決断を避けてはならない。だれかが正しい選択をしてくれると思いこむのは、愚か者だけだ。

・多くの人々はただ漫然と人生を送っている。他人のために与えられた役割を演じながら、自分の真実の目的に気づかずにいる。





トラヴェラー

トラヴェラー

  • 作者: ジョン・トウェルヴ ホークス
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



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