『スカル・ブレーカ』 [☆☆]
・街に仕事があるというのは、こういう道理なのか。すなわち、無駄な仕事を作ることができるような金持ちがいる、というわけか。
・そうして集めた金を、また大勢に分け与えるために、無駄な仕事まで作らねばならない。
・情けないことであるが、美味しいものを食べると、一時でも気分が良くなるのは認めざるをえない。こういったことで気持ちが左右されるようではまずい。慎まなければならないようにも感じた。
・彼らは、危険かどうかという判断をしないことこそが、楽な状況だと思っている。
・母はもう私のことなど忘れているでしょう。そんな気がします。いえ、それが悪いとは思いません。でも、そのとき、自分が惨めになるように思います。だから、やはり会わないのが良いと考えてしまうのです。
・こんなことにいちいち気を遣っていては、世の中は渡っていけないということが、だんだんわかってきた。
・死んだ人間の言いつけを、今でも守っているのか? よおく考えてみろ。もしその言いつけが正しいと思うなら、それで良い。しかし、疑問に思うならば、気にすることはない。生きている自分の考えを取るべきだ。
・人間は、言葉を話す。言葉がなければ、やはり動物の群れと同じになるだろう。言葉がなければ理屈がなくなり、秩序というものも成されない。
・敵がいないときに抜く刀は、自らを清めるものだ。
・才があるのは確かなことだが、幾つもに秀でているというよりは、八方に対して欠けているものがない、といった方が当たっている。
・そのときには、寂しさなど知らなかった。寂しくない状態がないのだから、寂しさが見えない。それは、山の中にいれば、山が何かわからないのと同じことだった。
・人間だけが、目で見るものと、耳で聞くものを区別しています。これは光だ、これは音だ、と名称をつけて感じている。しかし、動物などには、そのような道理はないでしょう。すべてを総合して、気配として感じるのです。
・全体を見ることはとてもできません。ただ、一部から想像するのです。道端の一輪の花を見て、季節を知るようなものです。
・力の強い者が、国を治めるのです。国を治めるという行為が、力によってしかなしえないのです。どうしてそうなるのか、というと、ものの道理は言葉でしか伝わらないのに、その言葉を知らない者が多すぎるからでしょう。
・言葉を知らなければ、道理が伝わらない。そうなると、ただ力の強い者の下に集まり、拝み縋るしかない。
・いろいろなものが無駄に見えるが、それが作られたときには、作るという意味、作るという価値があったのかもしれない。ただ、それが残っているだけなのだ。
・多くの戦いは、戦わないことを避けたい、ただそれだけのために戦ったのだ。
・生きるとは負け続けること、死ぬとはもう負けぬこと、という言葉がある。
・あいつを殺したって、なんの得にもならないよ。いくら謝らせたって、シノちゃんは元には戻らないんだ。気が収まらないのは、ただの見物人だってことさ。
・ほとんどのことを自分だけで考えるしかなかった。言葉を聞いてくれるのは、いつも自分一人だったのだ。
・欠けたものを補うためには、他の者たちを信じ、互いに与え、分かち、合わせることが必要となります。
・子供から大人になったばかりの若者ほど死にたがる。急に、生の理由がないことに愕然とするからだという。
・のちのち後悔するくらいならば、潔く刀を抜き、果敢に戦う。それこそ、侍が好むところだが、これはむしろ容易い。そうではなく、たとえのちのち後悔しようが、その場は屈してでも敵を許し、逃がし、立てる、それが難しい。しかし、天下の頂に立つ者ならば、その難しさを幾つも乗り越えねばならぬ。
・そうして集めた金を、また大勢に分け与えるために、無駄な仕事まで作らねばならない。
・情けないことであるが、美味しいものを食べると、一時でも気分が良くなるのは認めざるをえない。こういったことで気持ちが左右されるようではまずい。慎まなければならないようにも感じた。
・彼らは、危険かどうかという判断をしないことこそが、楽な状況だと思っている。
・母はもう私のことなど忘れているでしょう。そんな気がします。いえ、それが悪いとは思いません。でも、そのとき、自分が惨めになるように思います。だから、やはり会わないのが良いと考えてしまうのです。
・こんなことにいちいち気を遣っていては、世の中は渡っていけないということが、だんだんわかってきた。
・死んだ人間の言いつけを、今でも守っているのか? よおく考えてみろ。もしその言いつけが正しいと思うなら、それで良い。しかし、疑問に思うならば、気にすることはない。生きている自分の考えを取るべきだ。
・人間は、言葉を話す。言葉がなければ、やはり動物の群れと同じになるだろう。言葉がなければ理屈がなくなり、秩序というものも成されない。
・敵がいないときに抜く刀は、自らを清めるものだ。
・才があるのは確かなことだが、幾つもに秀でているというよりは、八方に対して欠けているものがない、といった方が当たっている。
・そのときには、寂しさなど知らなかった。寂しくない状態がないのだから、寂しさが見えない。それは、山の中にいれば、山が何かわからないのと同じことだった。
・人間だけが、目で見るものと、耳で聞くものを区別しています。これは光だ、これは音だ、と名称をつけて感じている。しかし、動物などには、そのような道理はないでしょう。すべてを総合して、気配として感じるのです。
・全体を見ることはとてもできません。ただ、一部から想像するのです。道端の一輪の花を見て、季節を知るようなものです。
・力の強い者が、国を治めるのです。国を治めるという行為が、力によってしかなしえないのです。どうしてそうなるのか、というと、ものの道理は言葉でしか伝わらないのに、その言葉を知らない者が多すぎるからでしょう。
・言葉を知らなければ、道理が伝わらない。そうなると、ただ力の強い者の下に集まり、拝み縋るしかない。
・いろいろなものが無駄に見えるが、それが作られたときには、作るという意味、作るという価値があったのかもしれない。ただ、それが残っているだけなのだ。
・多くの戦いは、戦わないことを避けたい、ただそれだけのために戦ったのだ。
・生きるとは負け続けること、死ぬとはもう負けぬこと、という言葉がある。
・あいつを殺したって、なんの得にもならないよ。いくら謝らせたって、シノちゃんは元には戻らないんだ。気が収まらないのは、ただの見物人だってことさ。
・ほとんどのことを自分だけで考えるしかなかった。言葉を聞いてくれるのは、いつも自分一人だったのだ。
・欠けたものを補うためには、他の者たちを信じ、互いに与え、分かち、合わせることが必要となります。
・子供から大人になったばかりの若者ほど死にたがる。急に、生の理由がないことに愕然とするからだという。
・のちのち後悔するくらいならば、潔く刀を抜き、果敢に戦う。それこそ、侍が好むところだが、これはむしろ容易い。そうではなく、たとえのちのち後悔しようが、その場は屈してでも敵を許し、逃がし、立てる、それが難しい。しかし、天下の頂に立つ者ならば、その難しさを幾つも乗り越えねばならぬ。
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