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『大量破壊兵器、カラシニコフを世界からなくす方法』 [☆☆]

・AKは「アフタマト・カラシニコフ」(カラシニコフ自動小銃)の頭文字。

・カラシニコフは、「テロリストがカラシニコフ銃を使うたびに落胆するが、自分の発明品を誇りこそすれ後悔することはない」と胸を張ります。

・設計が最終的に完成したのが1947年だったため、カラシニコフ銃は「AK47―47年式カラシニコフ銃」と呼ばれるようになりました。

・1959年には47年式のカラシニコフ銃がより近代化され、シートメタル成形によるシンプルな設計になりました。「近代化された:modernized」の頭文字「M」をとったAK-Mモデルは百万丁単位で製造されました。

・カラシニコフ銃はただの小型武器の範囲におさまりません。安価で、どこでも入手可能です。その独特な設計が「クール」で、だれでも簡単に使えます。

・カラシニコフ銃は銃マニアや軍事専門家の間では崇拝の対象だ。極限の状況下でも機能し続け、維持のための手入れはほとんど不要、そしてなんの技能も持たなくても誰でも使うことができる武器。

・紛争地以外では、カラシニコフ銃は文化や芸術の中に頻繁に登場します。理由は簡単。バナナ型の弾倉、木製や金属製の短い銃床を持つこの銃のルックスは、とにかくクールなのです。

・かつて希少価値があったけれど、今はどこででも手に入る腕時計ってあるでしょう。人びとの注目をとことん集める力を持つカラシニコフは、それに似た消費財なんです。特定のライフスタイルの一つの要素ですよね。

・インドとアフリカの一部では、男らしくあれ、勇敢であれ、という意味を込めて息子に「カラシ」という名前をつけます。

・1983年、モザンビークでは、カラシニコフ銃が描かれた国旗が採用されました。現在、世界で武器を国旗に取り入れているのは、この旗だけです。

・撮影には、小道具として、数百規模の本物のカラシニコフ銃が購入された。コピー品や撮影小道具よりも本物のほうが安く、簡単に手に入るからだ。撮影終了後、ライフルはマーケットに売り戻されたという。

・米国では、免許を持つ銃販売店の数がマクドナルドの店舗数である1万3000以上もあるのが現状です。

・世界の武器を輸出するトップ5はアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国で、国連安保理事国であるこの5か国が、世界の武器輸出の88%を担っている。

・はじめて設計されたのはもう60年以上前であるにもかかわらず、カラシニコフ銃はいまだに生き生きと殺戮を続けています。

・非常に多くの小型武器が発展途上国や中東に広く普及し、「カラシニコフ文化」を形成しました。そしてひとたびそうなると、日常のささいな争いごとや意見の不一致を解決する場面でも自動小銃が登場するのです。

・ロシアの企業がカラシニコフ銃の特許を掲げて争ったケースは数え上げたらきりがない。特許料がロシアに支払われることは一切ないまま、世界中でカラシニコフ銃が製造されている、というのが実態だ。

・カラシニコフ銃は人間と違って老化しません。銃は最初の持ち主の世代だけでなく、子供や孫の世代まで、「破壊」の可能性を保ったまま受け継がれるのです。

・弱きものを守る守護者としての武装した男性という考え方は、結果的に悲劇的な皮肉をもたらしている。なぜなら女性も子供も、侵略者に殺されるよりも、家族を守ろうとする男性とその武器に殺される率のほうが高いのだ。

・子供は凶器を扱うことができるというだけでなく、兵士として多くの利点を持っている。それは第一に子供を脅えさせるのは簡単で、言ったことをそのまま実行させることができるからだ。

・長期にわたる紛争では、子供兵は価値ある資源になる。暴力の中で育った子供たちは、それが人生だと思うようになるからだ。






大量破壊兵器、カラシニコフを世界からなくす方法―モノから見える世界の現実 (シリーズ・モノから見える世界の現実)

大量破壊兵器、カラシニコフを世界からなくす方法―モノから見える世界の現実 (シリーズ・モノから見える世界の現実)

  • 作者: ギデオン バロウズ
  • 出版社/メーカー: 合同出版
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: 単行本



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