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『日本人が気づいていないちょっとヘンな日本語』 [☆☆]

・日本人の多くが間違えて覚えている言葉がたくさんあるんですよ。その代表例が、「確信犯」。多くの人が「法律に違反しているとわかっていながら、悪いことをしてしまうこと」と思っています。でもこれは間違い。本当の意味は、「本人が悪いことではないと確信してなされる犯罪」なんです。

・「失笑」という言葉も間違い率が高い言葉です。「失笑をもらした」を「苦笑した」という意味だと思っている人が多いのですが、これは「思わず笑い出してしまった」という意味で、我慢できずに吹き出してしまうような状態のことを言います。

・毎回同じように「いつもお世話になっております」だと、「こいつ、テンプレートを使ってるな」と見透かされてしまうので、「何度も失礼しますが」とか「たびたびご連絡して申し訳ありません」などとすべきです。

・多くの日本人が使っている英語って、ほとんどサムライ言葉みたいなものなんですけどね。たとえば「Hello. How are you?」は、あまりに古くさくて堅苦しい言い方なので、ネイティブには「ごきげんいかがでござるか?」みたいに聞えます。ふつうは「Hello. How are you doing?」などと言いますからね。

・「けりをつける」とは、古文で状況説明の文末が「~となりにけり」と書かれたものが多いことから転じて決着を意味に使います。

・「さわり」というのは義太夫節の一番大事な部分を示す用語です。したがって、歌ならサビの部分、映画や小説ならクライマックスの部分が「さわり」です。「触る」という言葉と混同して「出だしの部分」と誤用している人がたくさんいます。

・ひとつの言葉が流行すると、たちまち似たようなものが乱立するのが日本社会の特徴というか、困ったところです。本のタイトルでも、『鈍感力』がヒットしたら、あっという間に「○○力」だらけに。

・なぜ夜の食事が「晩ご飯」「夕食」なのかというと、もともと日本人は1日に2食しか食べていない時代が長かったからですが、「朝」に対する言葉が「晩」や「夕」だったから、「朝ご飯」に対して「晩ご飯」と呼ばれ、「朝食」に対して「夕食」と言ったわけです。「朝晩」「朝夕」という言葉はありますが、「朝夜」とは言いませんよね。だから「夜ご飯」とは言わなかったわけです。

・中国語でも「的」は使われますが、こちらは助詞で、日本語の「の」や「な」に近い意味を持ちます。「幸福的家庭」は日本語に訳せば「幸福な家庭」となります。

・アメリカでも最近の若者は、文章の中にやたらに「like」を挿入して話すんです。それって、「~とか」や「~みたいな」と同じかもしれませんね。

・一番でもビリでもない「中の上」という感じです。それは、まさに日本人が一番好きなポジションなんですね。

・日本語の家族表現では、その家族の中で一番幼い人の視点による呼称が優先するという特徴があるんです。だから、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お姉ちゃん、ボクという6人家族の場合、「ボク」が呼びかけるときの呼び名が固定して、みんながそれを使うわけです。お母さんから見れば「おじいちゃん」は「お父さん」と呼ぶべきですが、「おじいちゃん」と呼びかけ、「お父さん」という呼称は自分のご主人に使います。

・幼児が「ぼくは~」「わたしは~」と言わずに「シンちゃんはね~」「チヒロはね~」と言うのは、相手から呼ばれたのをそのまま使っているからです。それはやがて、自我の確立とともに変化していき、「ぼくは~」「わたしは~」に変わっていきます。それが大人になっても変わらないのは、精神的に幼く、まだ幼児性が抜けていないためかもしれません。自己中心的な性格であると指摘する人もいます。

・「お」は主として和語につきます。「お祝い」「お悔やみ」などです。「ご」は主として漢語につきます。「ご挨拶」「ご出席」などです。





日本人が気づいていないちょっとヘンな日本語 (日本語再発見BOOK)

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  • 作者: デイビッド・セイン、長尾昭子
  • 出版社/メーカー: アスコム
  • 発売日: 2012/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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