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『診断名サイコパス 身近にひそむ異常人格者たち』 [☆☆]

・善良な人たちが疑い深いことはまれである。自分にはとてもできないことを、ほかの人がやるなんて想像もできないからだ。

・ひどく凶暴でマスコミをにぎわせるような行為にばかり目を奪われていると、もっと大きな展望を見失うおそれがある。人は殺さないが、私たちの日常生活に個人的な衝撃を与えかねないサイコパスのことを。

・私たちは冷たい目をした殺人鬼よりも、なめらかな舌をもった詐欺師にはるかに人生をふいにされてしまいがちなのだ。

・「虐待された者は虐待をくり返す」という説が広く認められるようになったので、多くのサイコパスたちが、自分たちの欠点や問題が、子供のころ受けた虐待に起因していると熱心に主張するようになった。彼らの言うことを額面どおり受け取ろうとする善意の人たちには事欠かない。

・連続殺人犯というのは、ひじょうにまれな存在なのだ。北アメリカには、おそらく百人もいない。それに対して、サイコパスのほうは、おそらく北アメリカに二、三百万人はいる。連続殺人を犯さないサイコパスのほうが圧倒的に多い。

・平均して、刑務所にいる受刑者の20パーセントの男女はサイコパスである。サイコパスは、重大な犯罪の50パーセント以上を占めている。

・サイコパスは言葉を知っているが、その響きを知らない。

・サイコパスは質問に答えない。あるいは質問にそぐわない答え方をする。

・自分に有利になると思ったとき、サイコパスがしばしば仮病を使うことは、よく知られている。

・最初にするのは、相手の観察だ。ある角度から相手を見て、弱みを見つけ、なにを必要としているか見定めると、それを与えてやる。それから払い戻しの時間だ。

・母性本能をくすぐられやすい女性は、人を助ける職業、たとえば看護婦とか、福祉関連事業とか、カウンセリングなどの仕事に就いていることが多く、自分の欠点に気づかなかったり、欠点を棚上げしたりするいっぽうで、他人のいいところをなるべく見ようとする傾向がある。このような女性たちは、自分が助けてあげなければと信じ込んで、逆にひどい目に遭う。感情的にも肉体的にも、さらには経済的にもすっかり吸いつくされて、捨てられる。

・たいていの場合、その犯人は突如「道を踏み誤った」のではない。法律の陽のあたらない部分をしばしばのぞいているような人は、いつその淵をとび越えてしまってもおかしくない。

・自分を低く評価し、依存心が強く、主体性に欠けているような人は、サイコパスと親しく付き合うようになる。

・サイコパスの親は、どうすることもできずに、子供が自分を全能でどんなことでもできる、と思いこんでゆがんだまま成長していく姿をながめていくことになる。

・のちにサイコパスと診断された子供のほとんどの親が、就学まえから子供に深刻な問題があると気づいている。

・昔からよく言われてきた生物学的な理論は、サイコパスの場合、なぜだかわからないが脳構造の発達が異常なほどおそいというものだ。





診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)

診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: ロバート・D. ヘア
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 文庫



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