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『たくらむ技術』 [☆☆]

・テロップは「読ませる」ものではなく、「見せる」もの。「読む」作業は「見る」作業よりも、時間がかかるので、出演者のしゃべる音を聞く時に、長いテロップを「読む」ことになると、それが邪魔になってしまいます。

・あまりの面白さに、笑いが10秒間も続いたとします。ただし、そのうち最初の3秒が大爆笑で、残り7秒が余韻だった。こういう時に、作り手側はついつい残り7秒の部分をカットしてしまうのです。ところが、これは不正解。「7秒の余韻がカットされる」ということは。つまり「テレビの前にいる視聴者が、笑い終わって落ち着く時間がカットされる」ということだからです。

・「新しいものなんかないよ」と開き直って、真似や二番煎じをする人もいる。

・話の流れを止める人、というのはいます。本人はいいことを言っているつもりなのかもしれないのですが、そういう人が空気を変えると、もう話は面白い方向に進みません。

・プロセスをスルーして結果だけ聞いたのでは、状況に何か変化やハプニングが起きた時に対応できない。

・見逃しの三振をするくらいなら、空振りの三振の方がいい。空振りの場合は、バットは振っているわけですからフォームのチェックができる。振り方のどこがおかしかったのか、タイミングの取り方がおかしかったのか等々、その失敗を教訓にできるから、空振りの方がいい。

・仕事が遅い人には共通点があります。設定された締め切りを意識したペース配分ができないことです。

・まだ悩む段階ではないのに悩んでいる人、悩むタイミングが分かっていない人は仕事が遅くなります。こういう人は順を追って仕事をしたがる傾向にあります。

・編集が下手な人は、とにかく何回も同じ素材を見ます。一見、仕事熱心のような感じもしますが、決してそうではありません。視聴者は1回しか番組を見ません。だから、その視聴者と同じ気持ちになるには、見る回数が少ない方がいいのです。

・下手に強い物言いをして、「お前の意見なんて聞きたくないよ」と思われてしまっては、何もいいことがない。

・自分の意見を聞いてもらうためには、憎まれないようにすることが大事だと思うのです。

・その場でかっこよく「男らしい」物言いをして、相手とぶつかって、結局、意見を通せないのと、相手に「あいつの言うことなら聞いてみよう」と思ってもらって、意見を通すのと、どっちがいいか。

・その場の感情に任せて、正論を語っても、聞いてもらえないのならば何の意味もありません。

・感想を言うのでもとてもうまい人と、そうでない人がいます。その違いは何かと言えば、具体的なポイントが入っているかどうかだと思います。

・こちらが感想を言う際には、感想に質問をプラスするのもいいやり方だと思います。本当に面白いと思ったり、興味を持った場合には、必ず何か聞きたくなるはずです。

・結局、やる気のない奴にチャンスを与えたところで意味がないのではないか、と思うのです。そういう奴は、下手をするとチャンスの意味すら分からないかもしれない。

・自動的にチャンスが降ってくるような環境にいると、それが当然だと思って、いつの間にか「もらい癖」がついてしまう。

・必要なのは「面白さを理解できる頭」「面白さを伝えられる頭」なのです。何が面白いか。どこが面白いか。どこが面白くないか。なぜ面白くないか。自分で問いを設定して、答えを考える能力です。





たくらむ技術 (新潮新書)

たくらむ技術 (新潮新書)

  • 作者: 加地 倫三
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/12/15
  • メディア: 新書



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