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『波間の国のファウスト』 [☆☆]

・優れた頭脳を誇るあまり、常に正しさだけを追求しようとする。本当に始末に負えない人。

・ファンドの規模は優秀さの証。確かなリターンを望めるからこそ投資家は巨額のマネーをファンドに託す。

・噂というのはね、流布された途端に根も葉も持つのよ。たくさんの口の端にのぼった時点で事実と同じ価値を持つの。

・そんな光景を目にして高揚するか、圧倒されるかで、人の真価が問われるような佇まい。

・儲かるか損するか。上がるか下がるか。どちらともつかぬ賭けに怖じ気づく連中からカネは逃げていく。

・正しさというのは大げさにしても、生きることの確かを人はどこかで求めてしまう。そのためには自分がやっていることは間違っていないと、「これでよかったのだ」ということを結果で示す以外に方法はないのだ。

・創業者は夢を見るのも仕事のうちだが、経営者は現実しか見てはならない。

・白いカネでも黒いカネでも、一旦数字になったカネは現実の一部である。

・他人が冷静さを失っているとき、自分が冷静さを失わなければ、チャンスを掴める。

・手元資金が1億ドルのままでは30%の利回り達成のために3千万ドルの利益を出す必要があるが、ここに十倍のレバレッジをかけることで、3%の利回りを生む商品への投資でも同じだけのリターンを得ることができる。

・往々にして能力と野心は比例関係にあり、従順さはこれと反比例する。

・外部からの人材登用。その条件こそがセキュリティホールであった。

・シェア拡大の鍵が自動車メーカーとの提携にある以上、販売価格は絶えず圧縮していくことが求められる。技術の粋を集めた新素材でありながら汎用品となる未来を宿命づけられた商品。

・みずから殻を破らない卵は、誰かに割られて目玉焼きになる。

・世の中には二種類の人間がいる。生涯人に使われる臆病野郎と、てめえの力でカネを掴み、のしあがって、高みをきわめる凄腕野郎の二種類が。

・残りの人生、誰かにこき使われながら、家畜みたくのうのうと無様に生きな。

・古い格言に「毒を食らわば皿まで」というものがある。悪事に手を染めたからには、徹底的にやり遂げろという意味の言葉だ。

・迷いがある者には道を示すことができる。けれど心が折れきってしまった者にはもう手の施しようがない。

・飛行機を使わない連中に飛行機が売れないと嘆くのではなく、そこに新たなマーケットがあると発想できるのが真の勝者。

・弱き者がさらに弱き者を叩くのは愚劣だが、力ある強者がさらに力ある者に屈する様は愉悦である。まさしく権力の悦楽。

・後戻りもできず、前にも進めない。大事なモノを失うことを決断せぬ限りは。

・米国西海岸で始まったコンピュータと情報技術の革命が、俺たちのような虫けらに夢と憧れ、時代の英雄となるための現実的な手段をもたらした。

・生きるということは、苦しみや不運を誰かに押しつけていくことだ。





波間の国のファウスト:EINSATZ 天空のスリーピングビューティ (講談社BOX)

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  • 作者: 佐藤 心
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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