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『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』 [☆☆]

・ケータイやソーシャルメディアによって広がった人間関係をメンテナンスするための社交消費、具体的にはカフェ代や飲み会代といったような頻繁な小さい消費に追われて、「モノ」を買わなくなっている。

・ゼロ年代、日本全国に大型ショッピングモールが普及したことによって、かつての「何もなかった地方」はほぼ消滅し、その結果、地方の若者たちは、上京しなくてもそこそこの満足度を得られるようになって、地方にこもるようになったのです。

・ドロップアウトした子供たちは、社会のシステムを憎み、そのシステムを作った大人たちを憎みました。

・勉強ができないと、いい大学に入れない。いい大学に入れないと、社会で必要とされない──そんな有形無形の圧力が、大人社会に対する反抗精神を彼らの心に生んだのです。

・ストリート系雑誌の登場や、PHS・携帯電話による密な情報交換によって、流行は彼らの間で常に共有されていました。そして、それに乗り遅れず体験するためには、晴れ舞台たる渋谷センター街や池袋に実際に「行く」必要があったのです。

・若者は大人の姿を見て、その大人たちが構成する社会への態度を決定します。

・バブル期の頃、大人は「金の亡者」として、若者にとっては反抗すべき対象でした。ところがゼロ年代後半以降の大人は、完全にしょぼくれています。まったくもって、反抗するに値しない、脆弱な存在に成り下がりました。

・ソーシャルメディアの普及が、若者の何を変えたのか? 簡単に言えば、昔よりも人間関係を大幅に広げた若者と、昔よりも狭い人間関係を密にする若者に分化しました。

・車と違って電車内は公共の場所です。視界は見知らぬ他人で埋めつくされており、空間を親しい友人同士だけで占有することはできません。マイルドヤンキーにとって、それは耐え難いものであり、電車の中ではリラックスすることができないのです。

・「いつも家族一緒に」というと聞こえがいいですが、これは意地悪な言い方をすれば「今まで自分が継承してきた地元密着型の生活様式に、子供を巻き込む」こととも言えます。

・「既知のものしか欲しいと思わない」傾向にたどりつきます。「旅行したい場所、行きたいところはよく知っている場所」はその典型。

・彼らは知らないことを努力して知ろうとはしません。頑なに、現在知っているものの中から選択しようとします。





ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

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  • 作者: 原田 曜平
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/01/30
  • メディア: 新書



ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体

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  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: Kindle版



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