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『君に友だちはいらない』 [☆☆]

・グローバル資本主義とは、世界全体がひとつの市場になって「消費者」と「投資家」のおカネを引きつけるために、世界中のあらゆる「企業」が国境を越えて競争している状態のことを指す。

・多くのベンチャー企業が設立3年以内に倒産するが、その大きな理由のひとつが、「必要なときに必要な人材を集めることができなかったから」なのです。

・昨今では、「セルフブランディング」という言葉が流行っているようだが、あまり格好のよい姿ではない。要するに「一生懸命アピールしないと仕事が来ない人」に見られかねないのである。

・本質的にノマドやフリーランスは「強者」にのみ許される働き方であることに注意しなければならない。

・今のノマドブームを煽っている人たちのビジネスモデルを注意深く見ると、彼ら自身、「ノマド的働き方」でビジネスが成功しているわけではなく、「ノマドに憧れる人々」に対するセミナーや本を売ることで儲けていることが少なくないことが分かる。

・「仲良しグループ」の多くは、自分に自信のない「迷える子羊」たちが、似たもの同士でツルんでシマを作る防衛的な集団である。メンバーはみな、自分がどんな人間かわかってない。わかってるのは、自分たちが優秀じゃないことだけ。だからいつも不安でたまらない。

・なぜフェイスブックでは友だちを選んだ方がいいのか。それはフェイスブックの友だちにどんな人がいるかで、その人の評価が決まってしまうことがあるからだ。

・「持っているものが多いこと」が貴いのではなく「必要なものが少ない」のが貴いのである。

・経済学でいえば、毎週1回か2回、先生の話を教室で聞くよりも、そのへんの本屋に行って、スティグリッツの本を購入して読んだ方がよっぽど早く最先端の知識を身につけられる。

・自分自身の力で世の中にまだない知見、発見を生み出したい、と思うならば、まず「世の中ですでに明らかになっている知識は、徹底して効率的に学べ」ということである。

・教養の持つ大切な機能の一つが、「自分と違う世界に生きている人と会話できるようになること」だ。

・ビジネスの世界でも、会社をゼロから起こすという人は、世間の多くの人が従事するルーティンの仕事が勤まらない、軽率でそそっかしいタイプであることが多い。しかしそのような「おっちょこちょい」な人間が一人もいない社会では、新しいサービスや画期的な新製品、これまでになかった産業が生み出されることも、けっしてないのである。

・参考書を目で見て「読む」のではなく、自分でテープに吹き込んで音声を「聞く」ことで教科書の内容を覚えていた。

・刑務所に入れられることで(犯罪者と見なされることで)、社会復帰することが困難となり、「食うためには泥棒でもするしかない」とますます犯罪傾向を強めることになるからだ(凶悪犯罪でない初犯の場合、有罪判決でもほとんどのケースで執行猶予がつくのは、この負のスパイラルを防ぐためにほかならない)。

・悪事はたいてい、止める人がいなければ、行き着くところまで行き着いてしまうものだ。

・かつてのウォークマンのような革新的な製品が生み出せずに、どうでもいいような付加機能を「てんこ盛り」したモデルチェンジ商品ばかりが発売され続けるのである。

・いじめという現象は、村社会に代表されるゲマインシャフト的組織で起こる典型的な問題である。いじめは「そこで暮らしていくしかない人たち」が、自分たちの集団の「同質性」を確認するために、定期的にわずかな差異を持つ人を探し出して叩くという一種の「儀式」だ。

・いじめが、いじめとして機能するための重要なポイントは、「次は誰がターゲットになるか分からない」ということにある。いつ自分が標的となるかは分からない。だからなるべく目立たないように、他の人たちと同じように振る舞って、突出しないようにする。

・権力者がその権力を暴力的に市民に対して振るうとき、そのルールが明確になることは、権力を失うことに直結する。なぜならば「処罰のルールが明らかになる」ということは、それに対応することができるようになることを意味するからだ。もっとも怖い権力というのは、「処罰の理由が分からない」社会なのである。

・ナショナリズムに固執する人は、貧しい人が少なくなく、ほとんど社会の中では底辺に存する。これは世界各国に見られる傾向だ。なぜ貧しいとナショナリズムに走るかといえば、自分に自信を与えてくれるものが、「国家」以外にないからだ。

・農耕こそ最たるハイリスク・ハイリターンなビジネスだと考える。ある土地に種籾を播いて、それが半年後に実りをもたらしてくれるかどうか、確実なことは事前には分からない。悪天候で稲が枯れてしまったら、すべての投資が無駄になる。

・グローバル化する世界の中で、小さな島国の中だけで通用する大学(ちなみに世界の大学ランキングで東大は23位、京大は52位)や会社の名前で「勝った、負けた」と言い合っていることには、何の意味もない。





君に友だちはいらない

君に友だちはいらない

  • 作者: 瀧本 哲史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/13
  • メディア: 単行本



タグ:瀧本哲史
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