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『朗読ダイエット』 [☆☆]

・散歩を日課にしていた哲学者は多いです。歩いていると閃きが訪れると彼らは言います。歩くこと、すなわち筋組織の中でもっとも大きい大腿筋を動かすことで、脳にその分の刺激がフィードバックされるのです。

・体からの動的な刺激がなければ脳は元気を失ってしまうのです。大腿筋に代表される随意筋(意志の通りに動かせる筋肉)が脳の元気を支えているのでしょう。楽器演奏者の多くがボケを知らずに生きていけるのも同じ理屈かもしれません。

・文字を目で追いながら声に出して読むこと。これをしている時、人間の脳はその行為だけに集中します。朗読しながら他のことをぼんやり考える。やってみればわかることですが、それは不可能です。ところが、黙読だといとも簡単に脱線してしまう時があります。

・エミリ・ディキンソンを朗読して感じ入るものがあるなら、あなたにもディキンソンに通じる心の窓があるということです。

・文芸の世界を旅する。それは人の心を巡る旅です。同時に、自分の心の可能性を探る旅でもあるのです。

・人は、生きている間だけを生きているのではありません。私たちは受け継ぐ生き物ですから、過去の人たちが築き上げてきた財産の上で暮らしをしています。

・念頭に置いたのは、フランス語学習も朗読トレーニングの一環として捉える、というものでした。譜面台にフランス語の参考書を置き、身振り手振りを交えて朗読していく。

・参考書はCD付きのものを選び、それを何度も聴いて真似ていきます。ひたすら反復。

・腹式呼吸とは具体的にどういったものなのか、基本はごく簡単です。その穏やかなバージョンをあなたも毎晩やっています。私たちは寝ている時、完全に腹式呼吸になっています。呼吸が一番安定するからです。もしも寝ながら方が上下に動く胸筋呼吸をしている人がいたとしたら、よほど悪い夢を見ているのです。

・今振り返ると、食べ物以外の楽しみを見出せない、心の貧しさが悲しい。

・努力する・耐えるという感覚を越え、それが日常と思えるようになった時が本物、なのだろう。

・受け身の姿勢ではなく、能動的に一歩踏み込んで日々をあざやかにしていく知的なムーブメントが必要なのです。

・新たに外国語学習を始める勇気を得たのも、待っていてはもう何もやってこないという時代の肌触りを感じたからです。学ばない人はここから先いよいよ苦しくなります。

・再び立ち上がろうとした時、私は気付いたのです。これまですべて独学だった。だからだめだったのだと。





朗読ダイエット

朗読ダイエット

  • 作者: ドリアン 助川
  • 出版社/メーカー: 左右社
  • 発売日: 2012/11/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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