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『スタンフォードの自分を変える教室』 [☆☆]

・これは試験ではなく実験ですから、うまくいかなくてもかまいません。

・生き残っていくためには、仲間のホモサピエンスの力を借りなければなりません。つまり、「他人を激怒させないようにすること」が生き残るための心得に加わったのです。

・かつて人類と他の動物を区別していた意志力は、いまや人間どうしの間に差をつけるものとなりました。

・たとえば、目先の欲求を満たそうとするばかりする自分には「クッキーモンスター」とか、文句ばかり言ってしまう自分には「やかまし屋」とか、いつも腰の重い自分には「なまけもの」とか。そうやっておかしなあだ名をつけてみると、そういう自分になりかけたときにはっと気づいたり、賢い方の自分を呼び覚ましたりするのに役立ちます。

・神経科学者の発見によれば、瞑想を行なうようになると、脳が瞑想に慣れるだけでなく、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールのさまざまなスキルが向上します。

・呼吸に意識を集中するのは、簡単ながら実に効果的な瞑想のテクニックであり、脳を鍛え、意志力を強化するのに役立ちます。

・意志力をてきめんに高める方法があります。それは、呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。

・たいていの人にとっては息を吐くのを遅くする方が簡単なので、ゆっくりと完全に息を吐くことに意識を集中しましょう。

・肝心なのは、早く寝るように心がけるよりも、起きてだらだらといろんなことをやり続けるのをやめることでした。ルールを決め、夜11時を過ぎたらパソコンもテレビも消し、新しいことを始めないようにしました。

・砂糖で甘くしたレモネードを飲んだ被験者たちは自己コントロールの向上が見られ、偽物のレモネードを飲まされた被験者たちの自己コントロールは、低下の一途をたどったのです。血糖値が低いと、難しいテストを投げ出したり、機嫌が悪くなって他人に当たり散らしたりするなど、さまざまな意志力の問題が生じることがわかりました。

・自制心を要する小さなこと(姿勢をよくする、毎日手が疲れるまでハンドグリップを握る、甘いものを減らす、出費を記録するなど)を継続して行なった場合、意志力が全般的に強くなるという結果が出ています。

・実はメニューにヘルシーな品物が載っていたせいで、チーズバーガーとフライドポテトを注文したくなったのだと聞いたら、信じられますか? マクドナルドのメニューにヘルシーな品物を加えたとたん、ビッグマックの売り上げが驚異的に伸びた。

・選択を行なうたびに、それが将来にわたってずっと影響を及ぼすことを認識しましょう。つまり、「このチョコバー、食べちゃおうかな?」ではなく「これから1年、毎日毎日、午後になったらチョコバーを食べ続けることになるけど、それでもいいわけ?」と確認するのです。

・脳の報酬システムは、ある程度のお金が確実にもらえるより、大金をもらえる可能性があるほうが興奮します。だからこそ、みんな2パーセントの利率で貯金するよりも宝くじを買おうと思うわけです。

・研究によれば、味わって食べる練習をした人は、食べ物に関して自制心が強くなり、大食いが減りました。

・はっきりと意識はしてはいないにしろ、死の恐怖を感じたことで、私たちの中には無力感を打ち消そうとする、やむにやまれぬ衝動が生まれます。それで、何でもいいから安心感や安らぎを与えてくれるもの、自分が強くなったように感じさせてくれる、お守りのようなものにすがりつくのです。

・人が死亡したニュースをテレビで観た視聴者は、高級車やロレックスの時計など、贅沢品の広告に購買意欲をそそられることがわかりました。ロレックスをしていればミサイル攻撃から身を守れるわけではありませんが、そういう品物を所有することで自己イメージが高まり、パワフルになった気がするわけです。

・ある実験によれば、死亡の危険性をうたうタバコの警告表示は、喫煙者にストレスや恐怖を与えることがわかりました。公衆衛生当局の狙い通りです。けれども残念なことに、不安にかられた喫煙者たちが頼ったのはお決まりのストレス解消法、すなわち喫煙でした。

・目先の満足を味わうために10分待たなければならない場合、脳はそれを先の報酬として解釈します。すると、報酬への期待がそれほど起こらないため、目先の快楽に飛びつくのに必要な、強烈な生物学的反応も起きません。

・脳を落ち着かせて賢明な判断をさせるためには、どんな誘惑に対しても必ず10分間は辛抱して待つようにします。もし、10分経ってもまだ欲しければ、手に入れてもよいでしょう。

・もし、誘惑がもっと目に見えるような物ならば──たとえばチョコレートとかタバコとか──こんな商品もあります。「キャプチャード・ディシプリン」という鋼鉄製の頑丈な金庫で、2分から99時間まで、任意の時間を設定して施錠することができます。

・他の人たちにお金や労力の面で協力を願いたいときには、将来のことに関しては気前がよくなる傾向を利用して、はやばやと協力の約束を取りつけてしまうのも妙案です。

・人々が将来のために貯蓄をしないのは、まるで他人のためのような感じがするからではないか。

・将来の自分とのつながりが弱いと、自分の行動が後でどんな結果を招こうがおかまいなし、といった態度になります。それとは逆に、将来の自分とのつながりが強ければ、最悪の衝動に負けないで、自分の身を守ることができるのです。

・過去の自分が選択したことを、将来の自分はどれほど誇らしく思って感謝しているだろうか、あるいは後悔しているだろうか、と想像してみてください。

・駐車場にカートがいくつも置きっぱなしになっているのを見た人の中には、ゴミを投げ捨てていく人が何人もいました。このように、ひとつのルール違反はさまざまな形で感染していきます。

・ある研究では、他の家庭に比べて電気やガスの使用量が少ないと知らされた世帯では、電気をつけっ放しにしたり、温度自動調節器の設定温度を上げたりする傾向が見られました。「よいことをしたい」という思いより、「みんなと同じでいたい」思いの方が強いのかもしれないのです。

・「プライド」や「恥」などの社会的感情は、長い目で見た損得をふまえた理性的な議論よりも、私たちの選択に対して速やかで直接的な影響を及ぼす。

・私たちは、自己コントロールは一般的に非理性的な衝動に対する冷静な理性の勝利だと考えています。けれども、プライドや恥というのは、論理的な前頭前皮質ではなく、感情をつかさどる脳の領域の働きによるものです。

・恥の意識は、予防策としては役に立ちます。しかし、実際に何かをやらかしてしまった場合には、恥の意識がもたらすのは自己コントロールではなく、むしろどうにでもなれ効果です。

・ある考えがどれだけすんなり頭に浮かんでくるかによって、私たちは物事が起こる可能性や信憑性を判断しているのです。





スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

  • 作者: ケリー・マクゴニガル
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2012/10/20
  • メディア: 単行本



スタンフォードの自分を変える教室

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  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版



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