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『出家的人生のすすめ』 [☆☆]

・日本の仏教は、大乗仏教という、釈迦の教えとは別系統の新しくできた仏教の流れに属しています。

・中国も日本も韓国も、台湾もチベットも大乗仏教の国です。この大乗仏教は、たくさんの人を一度に、しかも厳しい修行なしでも救ってくれるという意味で大変ありがたく、そしておおらかな宗教です。

・釈迦の仏教は、日本や中国ではほとんど知られていませんが、タイなどの東南アジア諸国やスリランカでは今でも主流派です。

・私たちが社会の一員として生きていくということは、言葉を換えれば「食べるために働く」ということです。

・上下関係が「くだらない」基準で決まっていると、「人を追い抜いて上に昇っていこう」とか「早く上に昇って権力を握りたい」と思う気持ちが全く起こらないからです。

・世俗の生活を送っていたのでは手に入らない特別なものを手に入れるため、世俗的喜びを放棄して特殊な生活へと転身した人たち。

・ひとことで言うなら、「後ろ姿の教育」です。自分が先にその道を進んでみせて、その後ろ姿を後に続く者たちに見せることで、道の進み方を教えるのです。

・「かわいそうだから、私が何とかしてあげよう」という対面の援助ではなく「私は先に行くから後についていらっしゃい」と導く。

・一番多いのは、仏教に救いを求めてやって来た人たちに向かって、「あなたたちのような、座禅をしていない人には、何も分かりませんよ」と侮蔑の言葉を投げかける僧侶です。ひどいのになると、「坐らん奴には分からんのだ」などと乱暴な言い方で人を馬鹿にする僧侶までいます。

・なにか事件が起こったあとに、皆が頭を寄せ合って「どうしよう、こうしよう」と相談するようでは遅いのです。そんな相談事には必ず「情」や「人間関係」の垢がついてきて、それが判断を鈍らせます。その相談をしている姿そのものが、周囲の人からの軽蔑の対象になるのです。

・変わり者を大切にしない社会は結局、新たなイノベーションを起こす力がりませんから、淀みの中で地盤沈下していくことになります。




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