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『賢いやめ方』 [☆☆]

・がんばりを成功の鍵と見るのは民主的でもある。がんばりさえすればいいのなら、それ以外の特徴や利点──教育、階級、特権などは、考慮の対象とならない。

・外から見ればうまくいくはずがないのに、とっくに有効期限の切れた人間関係や状況から抜け出せない。がんばればやれると思っているから、素直に失敗を失敗と認められないのだ。

・やめるという選択肢がない場合には、仕事でも人間関係でも愛情問題でも「あと一歩の幻想」にとらわれやすい。

・あなたは腰を据えて論理的に考えて答えを出す。そう思っているはずだ。だが、実際にはそうではない。あなたの脳は思い出しやすい実例や話を記憶情報として取り出し、それに基づいて判断しているのである。

・豚の寄生虫が引き起こす感染症を知らなかった昔の宗教や文化は、豚肉を食べて死んだ人がいるという話を重く受け止めて、豚を食べるのを禁じた。

・学校での乱射事件や海水浴場で鮫に襲われる事件が盛んに報道されると、理性的な人でも記憶にはっきり残っているというだけの理由で、こうした事件が頻繁に起こると思い込んでしまう。

・私たちはなじみのある感情パターンを──楽しいものでも悲しいものでも──快適に感じる。結局のところ、未知のものより知っているもののほうが、たとえ好ましくなくても安心できるのだろう。

・対立した目標にとらわれて泥沼にはまってしまうと、何かをやめることを視野に入れないかぎり抜け出すことはできない。

・感情を抑圧しようとしてもうまくいかない。感情を抑圧しようとして自制心を働かせると、それ以外のことをする能力が低下するからだ。

・彼の決断を誰もが応援してくれたわけではなかったが。「やめるのは個人的な決断だ。その理由が理解できるのは僕しかいない」。

・動機や目標に対する姿勢を「接近型」と「回避型」に分類した。接近したい(つまり、ポジティブな結果を確保したい)という基本的欲求と、回避したい(つまり、ネガティブな、あるいはつらい結果を避けたい)という基本的欲求は、人類だけでなく、単細胞生物も含めた多くの動物に組み込まれている。

・「失敗は成功の踏み台」、「失敗から得た教訓は達成の鍵」という格言がある。

・誰でも一生のうちに接近目標も回避目標も持つが、回避することばかり考えていると、幸福感が得られない。

・あなたの目標の立て方を振り返ってみてほしい。やめるか続けるか決めるとき、どんな考え方をしているだろう。「○○したら○○にはならない」と考えるだろうか。それとも、「○○すれば○○になる」だろうか。

・どんなスポーツでも、ここぞというときに力を発揮できるクラッチ・プレイヤーがいるが、これはスポーツに限らず交渉や会議といったさまざまな場面にも言えることだ。

・感情を認識して正確にレッテルを貼る能力は(たとえば、困惑と屈辱を区別して、それぞれどういう感情か知ること)、感情知能の中核で、この能力が高いか低いかで、感情の理解度が決まる。ネガティブな感情を細分化できる人はコントロール力が高く、有効な対処戦略をとることができる。

・あなたの中にいる四歳のあなたに質問してみよう。あなたはマシュマロに飛びつくだろうか、それとも、待つだろうか? もっといいのは、大人になったあなた自身が「マシュマロ」と向き合ったらどうするか自問することだ。

・重要なのは目標を正しく構築することである。目標には望ましくない結果を避けるための「回避目標」と成果を得るための「接近目標」がある。

・外発的目標はそれ自体が目的ではなく、他の目的のための手段である場合が多い。

・外発的目標より内発的目標に意識を向けている人は、幸福感が高く、抑うつや不安にとらわれる率が低く、病気にかかりにくいことがわかった。

・外発的目標は魂の糧にはならないと研究者たちは言っている。

・外発的目標の魅力は、一般にそれに伴うと推定される称賛、あるいは、達成したときに得られる権力や自負心にある。

・ユーチューブやツイッターのフォロアー数、メールの数、フェイスブックの「友達」の数で判断される注目度や人気が人間の価値と考えられる時代には、外発的目標ではなく、自己と整合性のとれた内発的目標を持つことがこれまで以上に重要だろう。



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