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『機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ[小説] 地球連邦軍編』 [☆☆]

・タバコ葉はすべてタバコ会社が買い上げてきた。つまり契約農家だ。実態として契約農家と小作農の間にどれほどの違いがあるか。

・前時代からの海兵隊のモットー、「Semper FI!(センパー・ファイ)」(常に忠誠なれ)が書かれた錨のマーク。

・そいつは親心じゃなくて児童虐待だよ。

・昔から兵隊は、自分たちが使う道具に妙に四角四面のスローガンめいた名前か妙に下品なニックネームをつけたがる傾向にある。

・敵軍に対する威力偵察。とにかくある程度の戦力の部隊を前線に急行させて敵軍と銃火を交えさせ、部隊の損害の度合いから敵軍の規模や勢力を推し量るためだ。もちろん「推し量る」のは、後方の司令部や幕僚、参謀たちである。つまり「捨て駒」だ。

・実戦での射撃とは、狙ったところに当てることではない。狙ったところに標的が止まってくれているのは射撃競技くらいだ。

・結局のところ空軍や海軍、宙軍は戦闘兵ではなく、技術兵の集団なのだから。

・常識的に「現代の」航空作戦は長機(リーダー)と僚機(ウィングマン)から成る2機編隊を運用の1単位とする、いわば相互支援体制(バディ・システム)が基本であった。

・自分の中の「理性」という半分は拒否しているが、もう半分の「本能」は極めてそれに引き付けられ、高揚している。その「何か」の正体は、きっと「暴力」と呼ばれるものなのだ。

・2頭の犬が喧嘩する際、互いの尻尾を追いかけ回す動きになぞらえ「ドッグファイト」と称されるようになったという空中近接格闘戦。

・「ネイティブ・アメリカン」は正しくはインディアンだけでなくイヌイットなどを含む先住民諸民族全体に対する表現である。

・世の中に完璧な人間なんかいないのに、完璧であろうとする。完璧であろうとする余りに、ちょっと周囲が見えなくなって……。ドーン。部下や周囲の人間もろとも全滅だ……。

・「人を殺傷する」という能力については旧世紀に洗練され尽されている観があり、現代の銃火器と比較してもその能力には何ら遜色はない。

・こいつらには「仲間」や「協力」といった概念は存在しない。再重視されるのは「任務の達成」と「自己の生存」だけだ。究極の利己主義と言っていいだろう。

・当初、歩兵の支援兵器であった戦車は、次第に戦車に対抗する手段になっていったそうです。戦闘機も同様です。新しい兵器体系が登場した場合、最も有効な阻止手段は同じ兵器体系しかないのかもしれません。

・こちらの歓声やVサインに対しても反応してこない兵隊がぼちぼち認められた。実際に戦闘を行なった部隊は「次」に備えることが最優先であり、浮かれている暇などないのが道理だ。

・もはや「現場」にいた個々人の記憶や記録、印象の再現に頼るだけでは不可能だ。戦線は広がり、関わった人々は多数にのぼる。それらの人々がいちいち「どこで何をしたか?」を語ることで全体像を描き出すことはもはや書籍という形では無理というもの。

・物を見る目と歴史への敬意がなければただのガラクタやオンボロ飛行機にすぎない。

・古来、特殊部隊はその任務や作戦の性格上、捕虜をとる余裕がないため、彼らに捕らわれたと思われる人々の運命はついえたものと考えられている。



機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ [小説] 地球連邦軍編

機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ [小説] 地球連邦軍編

  • 作者: 高橋昌也
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2012/05/26
  • メディア: 単行本



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