『機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ[小説] ジオン公国軍編』 [☆☆]
・30年という年月は過去の悪夢を美化するのに充分な時間だったようだ。従軍した元軍人たちを英雄扱いし、兵器スペックに一喜一憂する戦後世代。
・地面にめり込もうとする重い車体を、軌道を無限に敷き続けて支えながら移動し、いかに敵を狙い撃つか――。まるで恐竜が進化するように、それだけを重力の下で研ぎ澄ましてきた兵器が戦車だ。
・空気のない宇宙空間では、遠近法がなくなるから、MSとノーマルスーツとの区別がつきにくいという現象は、入隊後の座学で学んだ。
・あれほど硬くまっすぐに見える砲身も、じつは重力によって「垂れて」いること、太陽に照らされる上側と陰になる下側との温度差によって歪むこと、生産工程によるクセなど、ただ無機質な鉄の筒ではないことを思い知らされた。それらとどう向き合うかが火砲技術者のテーマなのだ。
・小さい頃から物を作ったり絵を描いたりしてきたこの指しか僕には頼るものがなかった。この指が握り、押すことでいろんな機械が僕の想い通りに動く。
・別の軍艦に救助され、別の場所に連れて行かれたんだと信じることにした。未来に向けてできることは、たとえ「信じること」であってもしようと思った。
・空気というのは恐ろしい。吸ってしまっただけで、政治家も軍人も市民も等しく戦争に組み込まれてしまうのだから。
・もしかしたら彼は、この地でゆるやかな死を待つよりも、何かに挑んで殺されたかったのかもしれない。
・30年という年月は大戦の生々しさを削ぎ、「体験談」から「ノンフィクション」へと姿を変え、「歴史」という形となって本棚に収まるほどの時間であった。
・周囲にあふれるメカ(兵器)への思いを強くしてゆく。それは強いものへの憧れと同時に、唯一自分が制御できるという開放感からだったのではないだろうか。
・地面にめり込もうとする重い車体を、軌道を無限に敷き続けて支えながら移動し、いかに敵を狙い撃つか――。まるで恐竜が進化するように、それだけを重力の下で研ぎ澄ましてきた兵器が戦車だ。
・空気のない宇宙空間では、遠近法がなくなるから、MSとノーマルスーツとの区別がつきにくいという現象は、入隊後の座学で学んだ。
・あれほど硬くまっすぐに見える砲身も、じつは重力によって「垂れて」いること、太陽に照らされる上側と陰になる下側との温度差によって歪むこと、生産工程によるクセなど、ただ無機質な鉄の筒ではないことを思い知らされた。それらとどう向き合うかが火砲技術者のテーマなのだ。
・小さい頃から物を作ったり絵を描いたりしてきたこの指しか僕には頼るものがなかった。この指が握り、押すことでいろんな機械が僕の想い通りに動く。
・別の軍艦に救助され、別の場所に連れて行かれたんだと信じることにした。未来に向けてできることは、たとえ「信じること」であってもしようと思った。
・空気というのは恐ろしい。吸ってしまっただけで、政治家も軍人も市民も等しく戦争に組み込まれてしまうのだから。
・もしかしたら彼は、この地でゆるやかな死を待つよりも、何かに挑んで殺されたかったのかもしれない。
・30年という年月は大戦の生々しさを削ぎ、「体験談」から「ノンフィクション」へと姿を変え、「歴史」という形となって本棚に収まるほどの時間であった。
・周囲にあふれるメカ(兵器)への思いを強くしてゆく。それは強いものへの憧れと同時に、唯一自分が制御できるという開放感からだったのではないだろうか。
機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ [小説] ジオン公国軍編
- 作者: 吉祥寺怪人
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/05/26
- メディア: 単行本
タグ:吉祥寺怪人