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『地政学でよくわかる! 世界の紛争・戦争・経済史』 [☆☆]

・日本が占領した東南アジアの土地は、確かに多くの資源を産出していたが、それは宗主国に輸出されていたものであった。日本は資源の需要が少なく資源が余ってしまったため、植民地で資源関係の仕事に就いていた人々は失職してしまった。

・植民地は宗主国から工業製品を輸入していたが、日本には植民地の工業製品需要を満たすほどの生産力がなく、植民地で物資不足が起こってしまう。

・地政学において、国際関係の主役はあくまで国家であり、利害を分析するときの対象も国家が基本であった。しかし現在では、国よりも大きな力を持つ多国籍企業が珍しくなくなった。

・日本は東南アジアの資源を活用できず、また資源輸出で生計を立てていた現地の人々も困窮することとなる。こうした経済の混乱で、日本も他国も深刻な物資不足に陥った。

・鉄1トンあたり幾らの利潤が出るという算盤の問題ではない、何個の爆弾ができるかという問題である。

・日本が地政学的に見て「ひたすら海上交通と貿易に依存する島国」でありながら、経済を軽視した植民地経営を行なったことが大東亜共栄圏破綻の原因としている。

・沖縄は本土からすれば、相当な飛び地国土。鹿児島・那覇間は、東京・青森間と同じくらいの距離を持っており、沖縄周辺の海上や離島の防衛は、地理的に考えても自衛隊だけでは無理がある位置だ。

・反日は、大国からの独立という、韓国のアイデンティティーそのものであり、竹島はその象徴なのである。

・新しいメディアが革命において活用される例はよくある。イラン革命では、指導者ホメイニ氏の思想が、当時の最新技術だったカセットテープで演説を録音したもので広められ、カセットテープ革命とも呼ばれたものだ。

・チュニジアという国の規模をスムーズな民主化と結び付ける意見もある。チュニジアの人口は1000万にほどで規模が小さく、革命の恩恵が比較的隅々まで浸透しやすい。対してエジプト(人口8000万人以上を抱える)などの大国だと、民主化の恩恵がなかなか行き渡らず、不満分子が発生して民主化の動きを停滞させてしまうのだ。



地政学でよくわかる!世界の紛争・戦争・経済史 (コスミックムック)

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