SSブログ

『あの人に会いに 穂村弘対談集』 [☆☆]

・ぼくは「詩というのは草花なんだよ」といったんです。草花は何のメッセージも持っていない。けれども、見れば綺麗だから感動するじゃないですか。

・自分の中にあるものを出そうとするだけじゃなくて、いろんな人に反応していた方がクリエイティビティが高まるような感覚があるんです。

・オリジナルなんてそんなに貴重なもんですかね。極端な言い方をすると、剽窃の歴史が伝統を生んだわけですから。

・ダメなやつがいくら撮ってもダメなんだよ。撮る人の人間性を写真がバラしちゃうんだ。

・写真は他力本願なもんだからさぁ、スランプだったら、時代とか世の中がスランプなんだよ。

・自分よりも彼女の方が収入が多いとか、社会的に認められているとか、そういうときでも心から祝福できるのがフェアな愛情ですよね。でも、それって、かなりハイレベルな男性にしかできない。

・たいていの男性は、自分が優位な時には対等に接することができても、不利になったり追い詰められたりすると、嫉妬深くなったりして地金が出てきてしまう。

・お酒を飲むと一人称が「俺」になって全能感が噴出する人っているじゃないですか。

・子供の頃わがままでも、どんどん周囲を許していって、そうやって少しずつ大人になっていくんだと思うこともあるんです。でも反対に、許さないことを増やしていく人もいますよね。

・あれほど大きな震災があったのに、どうして誰も予感しなかったのかというのが今の私にとって一番の謎です。

・ふだんパトカーを見てもクラウンだと認識することはないですよね。それをあらためて言われると、世界の皮が一枚めくられるような奇妙な快感がある。

・自然は曲線を創り、人間は直線を創る。

・ロックンロールと出会って、コピーバンドをやりたいと思ったわけじゃないんです。自分のバンドで、世界に初めて鳴らすようなロックンロールをやってみたいと思ってたんです。だって、それまでと同じようなものなら聴いてればいいんだもん。

・あるとき「今解散したら、もったいない」って思ったんですよ。その瞬間に「やめなきゃだめだ」って思った。生活における「もったいない」は美徳だと思う。だけど、人生に「もったいない」という価値はいらないんです。それは人生をクソにする。

・走り高跳びの跳躍法は「正面飛び」「ベリーロール」「背面跳び」と進化していったけど、跳び方が変わるたびに記録がぐんと上がって、そこから先は身体能力の比べっこになる。やがてまた、次の飛び方を誰かが発見して、またそれに向いた身体能力の比べっこになる。その繰り返し。でも、そうやって飛び方を変えるのは選ばれた人ですよね。



あの人に会いに 穂村弘対談集

あの人に会いに 穂村弘対談集

  • 作者: 穂村 弘
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
  • 発売日: 2019/01/31
  • メディア: 単行本




nice!(0) 
共通テーマ:

nice! 0